10_「コンピテンシーが日本の未来を救う?!」

みなさん、こんにちは。

 

やばい、早速再開してから間が空いてしまった・・

実は、昨日7月2日が2021年のちょうど真ん中だったそうです!

今年もあと半年ですね!あっという間だ~

 

ワクチン接種も進みつつありますね!

今月はオリンピックも控えていますがどうなるのでしょうか・・

 

今はただ一刻も早いコロナ終焉を祈るばかりです。

 

 

さて、今回は記念すべき第10冊目!!

 

また上司からお借りしている本です。

 

おそらくお借りしてからすでに半年くらい経っているかも・・・

キャリコン勉強中だったので、試験が終わってから読もうと、ひっそり部屋の隅で待ってもらっていました。

 

この本は、当社でも人事関連のご支援をいただいている先生が2003年に発行された著書であり、半年前(?)、先生と打ち合わせをするからと上司が私にお貸しくださったのです。

 

 

本が並ぶと一際目立つ表紙です。

 

 10_会社を変える社員はどこにいるか

会社を変える社員はどこにいるか

会社を変える社員はどこにいるか

 

 

川上真史先生は、人事コンサルタントとしてご経歴を重ね、今現在、ビジネスブレークスルー大学の教員や(株)タイムズコア代表、(株)ヒューマネージの顧問など、幅広くご活躍されています。

 

私自身も前述した打ち合わせでお会いしたり、先日、SMBCの人事セミナーに参加した際にも、直接、川上先生の講義を受けてきました。

 

川上先生のお話はとてもわかりやすいうえに、面白ネタも織り交ぜてくださるので、納得あり・笑いあり、です。

 

本書では、日本に競争力のある人材がいないことに対する危機的状況(=本書では「人材不況」と呼んでいる)から、ビジネスを生み出す人材を育てるためには、各企業はどうしたらよいのか、また、個人はどうしていくべきなのか、具体的な考え方や取り組み方法が説明されています。

 

今回はその中でも、成果主義/目標管理・コンピテンシーに注目して、学びの内容を書き記したいと思います。

 

 

その1.精算と投資の考え方

 

日本企業の年功序列・終身雇用は限界を迎え、各企業が成果主義的な制度を導入するにあたり、本書では、精算型/投資型の二種類の成果主義があるとされています。

 

精算型の成果主義

過去半年なり1年間に生み出した成果に準ずる金額を与える。

(代表例)賞与

 

投資型の成果主義

未来における権利を本人に付与する。 

(代表例)昇進、昇格

 

これら二つは明確に区別して処遇する必要があるのですが、多くの企業では、考え方が逆転しているケースがあるようです。

 

<精算と投資が逆転しているケース>

●賞与が投資型の処遇になっている

「これだけの賞与を払ったのだから、来期も頑張って成果を出せ」

→これでは、大金をもらえて一瞬のモチベーションは上がるかもしれませんが、長期的な動機付けにはなりませんね。

 

●昇進・昇格が精算型の処遇になっている

「今まで頑張ってきたのだから、そろそろあいつも・・」

→これでは、その社員が今後成果を上げるかどうかは視野に入っておらず、ポジションを与えることで投資成果を回収できるかどうかはわかりません。

 

 

また、日本企業の多くは目標管理制度などの精算型の成果主義を進めていますが、実際、ハイパフォーマーのリテンションを高めるためには、投資型の方が有効だそうです。

 

ハイパフォーマーは自分に投資されると「この投資に応えよう」という気持ちが起こったり、成長できる・能力発揮できる場があることにメリットを感じたりして、その企業に魅力を感じやすくなります。

 

精算はハーズバーグでいうところの衛生要因であり、もらえないと不満足となるが、動機付けの要因にはなりません。

 

 

この精算・投資の考え方について、私は腑に落ちました。

 

あくまでも賞与などの精算は不満足を解消させるためであり、見込みのある人材にはどんどん投資をしていく。

 

一企業の人事として念頭に置きたいことですね。

 

 

その2.目標設定は成果イメージを意識する

 

実際多くの企業で活用されている目標管理制度ですが、みなさんはその意味をしっかり理解していますでしょうか?

 

とりあえず人事から毎年目標を設定し提出するように言われているので、その通りやっている、という方も多いのではないでしょうか?

 

ひどい場合は、期末に実際に達成したことを目標として後追いで記入し、提出したということもあったりしますよね・・

 

目標管理がきちんと機能している会社はもしかして少ないかも?と思ったりします。

 

 

そもそもドラッカーが提唱した目標管理制度は、MBOと呼ばれ、もともとは"Management By Objectives (and Self-Control)"の略です。

 

本書ではこれを正確に訳して以下のように表現されています。

「目標を一つの道具として活用しながら、マネジメントを効果的に進める制度」

 (本書P68引用)

 

目標管理制度は「目標を管理する制度」と誤認し、目標を具体的に設定することに注力してしまうケースがよくあります。

 

しかし、目標とはあくまでもマネジメントを効果的に進める道具にしか過ぎず、「マネジメントが効果的に行われること」が最重要となります。

 

 

では、効果的なマネジメントとはどのようなものか?

 

 

まずはありがちな間違ったマネジメントです。

 

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本書P71図7 間違ったマネジメントサイクル

 

例えば人事の例で考えると、

①PLAN:「今年度、新卒を50人採用する」という計画を立てる

②DO:頑張ってとにかく50人採用した

③SEE:それを見た上司がよく頑張った!と高評価をつける

 

しかし実際は、新卒社員が現場に配属されると、「今年は役に立たない新卒が多いな・・。」と現場社員に言われてしまったとしたら、これは良い成果だったとは言えませんよね。

 

つまり、「何をやるか」を決めて一生懸命取り組んでも、成果につながらないことが多いということです。

 

次に、正しいマネジメントサイクルです。

 

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本書P72図8 正しいマネジメントサイクル(要約)

 

正しいマネジメントサイクルでは、「何をやるか」ではなく、「今期末までの段階で、どんな成果を生み出すのか」といった成果イメージを 計画します。(PLAN)

 

そして、その成果イメージを達成するために何をやるのか考え、実行し(DO)、最後に、計画した成果イメージと最終的な結果にどのくらい乖離があるのか評価します。(SEE)

 

先述の人事の例について、正しいマネジメントサイクルを考えてみました。

 

①PLAN:「今年度、それぞれの職場に求められる新卒を50人採用し、現場に喜ばれる」という計画を立てる

②DO:各職場で求められる人物像を設定し、それに合った新卒を採用する

③SEE:50人中40人は配属後アンケートで現場より高評価を受けた

 

確かに、これであれば、単に50人採用するよりも、会社の成果として結びついていると言えそうです。

 

マネジメントサイクルにおける「計画」は「目標設定」の段階となりますので、目標を設定する際は、「何をやるか」ではなく、「期末における成果イメージ」を考えるということが重要だと学びました。

 

私も目標設定する際には、手段が目的とならないよう、組織の利益につながる成果イメージを意識したいと思います。

 

 

その3.コンピテンシーを高める!

 

みなさんは、コンピテンシーとは何か?と聞かれたら、なんと答えますか?

 

どうしても英語で日本に入ってくる用語は、本来の意味から変化してしまったり、異なる意味で認識されてしまったりしますよね。

 

アジャイル、イニシアチブ、スキーム、バッファー、ローンチ・・・・

 

私の現職は外資企業ということもあり、転職直後はこういったカタカナ語が多くて、慣れるまで苦労しました。

 

 

とある日・・

 

 

先輩「インビ送ってもらえますか?」

私「インビ・・ってなんですか?」

先輩「あぁ!インビテーションのことだよ!」

私「あ、はい!

(インビテーションすらこれまで使わなかったのに、さらに略されるなんて・・!)」

 

さすが外資!と思いながら会議の招待を先輩に送るのでした。笑

 

 

話は戻って、コンピテンシーとは、簡単に言えば、「成果につながる能力特性」のことです。

 

単なる能力とは違い、「成果につながる」という点が重要です。

 

どんなに優秀でも、それが成果につながらなければ、コンピテンシーは低いという評価になります。

 

著者は、このコンピテンシーが人材不況脱出のための大きなキーワードであると述べています。

 

その1で触れた精算型・投資型の考え方ですが、精算による昇進では企業の競争力は低下し、人材不況を深刻化させるため、やはり未来に成果を出せる「コンピテンシー」の高い人に投資をしていくことが重要です。

 

一個人もコンピテンシーを高めることで市場価値が上がります。

一人一人が意識して行動することで日本の未来が変わっていくかもしれません。

 

 

そこで、本書で紹介されているコンピテンシーレベルを見て、自身の日頃の行動を振り返ってみましょう!

 

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本書P117 図13 コンピテンシーの5段階 引用

どうでしょう・・?

ほとんどの方が、私はレベル1~3かな、と感じたのではないでしょうか?

 

 

本書ではレベル5をいきなり目指すとうまくいかないので、まずレベル4を目指そう!と推奨されています。

 

 

<レベル4の行動ができる人の特徴>

 

 

①問題を問題ではなく課題として捉える

→できない理由を考えるのではなく、できるようになるためにはと考える

②はじめの一歩を踏み出せる

→まずはやってみる勇気!

③知識や情報を発信する

→自分が得た知識や技術を応用し、自分なりのノウハウ・考え方・手法を編み出し、

情報として発信する

④常にアンテナを張っている

→あらゆる変化やチャンスを敏感にキャッチ

⑤徹底した分析をする

→感性や勘ではなく、ものごとを客観的・科学的に捉える

⑥自分の言葉で語れる

→教科書通りのことではなく、自分の解釈を加えて平易な言葉で語れる

 

以上6つを意識して行動していけば、レベル4の力を発揮できるようになっているはず!これができる人が会社を変えていくのでしょう。

 

また、コンピテンシーを発揮するには、安定したパーソナリティ(自己確立)が必要という点も、キャリコンを勉強した私にとっては非常に印象的でした。

 

単なる能力アップだけではレベル3が限界であり、「自分はこう考え、こう生きる人間だ」というように、自分を理解することで、自分の明確な意思決定に基づいた主体的な行動をとれるようになるとのこと。

 

「自己理解」が自分の納得できるイキイキとしたキャリアにつながり、ひいてはコンピテンシーをも高めることになるのですね。

 

 

改めて、自分を知ることの大切さを感じた今日この頃でした。(しみじみ)

 

 

少し長くなりましたが・・

 

本書は、キャリアアップを図りたい一個人にとっても、

社員の育成に励んでいる人事や管理職にとっても、

日本企業全体の底上げに貢献したいと思っている人にとっても、

現状を打開できる知識や視点が大いに得られる一冊と思います。

 

本屋でも見つけやすい表紙の色ですので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

アディショナルタイム

もうすぐ七夕ですね。

今日近くのショッピングセンターに行ったら笹飾りがあったので、子供たちの中に混ざり、自分の願い事を書いて、つるしてみました!

 

ふと、隣に飾ってある短冊を見ると、子供の字で、「コロナがはやくいなくなりますように。」と書いてあり、自分のことしか考えていないような自分の願い事に少し恥ずかしさを覚えました(苦笑)

 

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みんなの願い事が叶いますように・・・