09_「自分をブランディングしてみよう!」

こんにちはー!

 

今年は桜があっという間に咲いてすでに葉桜ですね。

昨年の今頃は緊急事態宣言が初発令され、会社ではドタバタ対応に追われていたことを昨日のことのように思い出します。

 

あれからはだいぶ落ち着いたけれど、まだまだ落ち着いていない・・

 

来年こそは桜の木の下でどんちゃん騒ぎできますように!!

 

 

さて、久しぶりに人事本の考察を進めたいと思います。

 

今回は、キャリアコンサルタントの試験を受けよう!と思い、当時、「キャリア 本」で検索し、購入した本についてです。

 

昨年8月に買ったはいいものの、試験勉強に集中してしまい、結局、読み始めたのは試験終了後。

 

ただ、タイミングとしては、新卒の就活のときに読みたかったーーー!!

 

この本がもっと早く世に出されていたら、私の就活は大きく変わっていたかもしれない・・・

 

新卒に限らず、

自分のキャリアに迷っている方、

何か挑戦したいけど二の足を踏んでいる方、

このままで私良いのかな・・と漠然に悩んでいる方、

 

ぜひぜひこちらの本を読んでほしい!!

きっと活路が開けるはずです!

 

苦しかったときの話をしようか

苦しかったときの話をしようか

 

 

著者の森岡毅さんはUSJ復活の立役者。

 

マーケティング専門のマーケターでありながら、組織や人についても自らの理論を展開しており、特に本書で紹介されている、キャリアをマーケィングと同様の考え方で適用させているのは新しい!と思いました。

 

そしてこの本の何よりの特徴が、これから就活を迎える森岡さんの娘さんに向けて、父として書き留めたものを書籍化したということ!!

 

初めは資本家の話や世の中の構造についてのお考えを述べていて、正直、ちょっと固いな、お父さんから長話されている気分だな、娘さんが黙ってしまう気持ちもわかるな、と思いながら読み進めていました。

 

しかし、第3章からは自分のキャリアを考える具体的な方法が説明され、自分をブランディングするなんて面白い発想だと思いましたし、殊に第5章は感動感激!!本のタイトルの意味が最後にやっとわかった!!

人事の本で泣けるなんて想像していませんでした。

 

時間のない方は第5章だけでも読む価値あり!!

勇気が出ます。

 

ただ、今回は、第5章の「苦しかったときの話」ではなく、就活の時に知っておきたかった、また、これから実践してみたい、「自分のブランディング方法」について、ここに書き留めたいと思います。

 

 

その1.キャリア戦略のフレームワーク

 

著者は、まだ何をしたいのかよくわかっていない娘さんのために、「キャリア戦略のフレームワーク」を解説することで、こういう順番で考えれば、人生の方向、自分の特徴、自身の強みと弱みを知る手がかりを得て、どのような職能を選べば良いかがわかる手順を示しています。

 

 

まず内容に入る前に、私の新卒時の就活を振り返ってみたいのですが・・

 

巷の就活セミナーなどでは自己分析が重要だと何度も聞いたにも関わらず、己のことをよく理解もせずに、就活の軸が定まらないまま、とにかく幅広い業種の企業を受けまくっていました。

 

人材紹介、旅行、銀行、教育、メーカー、商社、保険、ホテル、物流・・・

 

約50社くらい受けたかと思いますが、散々な結果に。

 

今思えば、「自分は何がしたいのか、どうなりたいのか」を明確に定めていなかったことが敗因だったように感じます。筆者の言葉を使えば、とりあえずたくさんの会社を回り始めた「戦略なき愚か者」ですね・・

 

やはり目的が曖昧では、どの企業が良いのか選ぶのは難しく、反対に、目的が明確になれば、企業に対する自己アピールにも一貫性が出て、受かりやすくなっただろうと思います。

 

(最終的には、前職の会社に拾っていただき、憧れの人事職につくことができて、なんとか就活の失敗はカバーできたと思っていますが・・)

 

本書では、キャリア戦略を立てる上で、まず「目的」の重要性を説いています。

 

①まずは目的を立てよう

 

キャリア戦略は文字どおり「戦略」だから、君のキャリアにおける目的があって初めて機能する

(本書P109引用)

 

目的が不明確であれば戦略は立てられないため、まずは仮でも良いので、今の自分にベストな「キャリアの目的」を設定します。

 

ただ、なかなか人生の夢や人生の目的を考えるのは難しいですよね・・

それが明確であれば苦労しません。

 

そこで、目的が見えてくる発想法が紹介されています!

 

具体的な"こと"から発想するのではなく、"どんな状態"であれば、自分はハッピーだろうかという未来の理想"状態"から発想すること

(P112引用)

 

つまり、自分は何がしたいのか?何を極めたいのか?と自問自答するのは苦しいので、まずは、「自分がどんな状態になっていればハッピーなのか?」を考えてみるということです。

 

次に、その理想状態を実現するために必要なことは何かを具体化させていきます。

 

例えば、著者の森岡さんは就活生の時このような理想状態・目的を考えていたようです。

 

【理想の状態】

人の力を束ねて大きな事業ができるような人間になれれば痛快だろう

【キャリアの目的】

経営者になるためのスキルと経験を積むこと

 

 

みなさんは将来どんな状態になっていたらハッピーですか?

 

 

②己の最大重要資源「強み」を認識する

 

仮説ながらでも目的が設定されれば、次はその目的に向かって戦略を立てていきます。

 

戦略を立てる際には、己の資源を認識することが重要であり、キャリア戦略においては、「ヒト」の「強み」を最大重要資源とし、それを見つけて伸ばしていくことがキャリアの明暗を分けることになります。

 

では、どのように自分の強みを探せばよいのか?

これも具体的な方法が紹介されています。

 

"強み"を見つける最大の近道は、「社会との関わりで気持ちよかった文脈(自分が好きなことをしている文脈)」をどんどん列挙することだ。

(P118引用)

 

好きなことをしている文脈こそ、それが強みとしてすでに発揮されている可能性が高いという考えのもと、まずは今まで自分が好きだったことを書き出していきます。

最低50個、できれば100個くらいの好きな行動を書き出すのが目標です。

このとき、「名詞」を入れないように注意します。

(「カレーが好き」などは強みにはなりえませんので、「動詞(~すること)」を書く)

 

私も早速考えてみました。

 

【好きなこと】

・資料を作成する

・文章を考えて書く

・業務を改善する

・イベントを企画する

・プログラムを考える

・サプライズを考える

・人に教える、説明する

・整理整頓する

・新しい知識を吸収する

・外国人と話す

・異文化を学ぶ

 

 

どうしよう。。全然思いつかない。。

 

 

こんなときは、自分のことをよく知っている家族や友人に「自分が生き生きとやっていることは何?」と聞いてみたり、懐かしいアルバムや動画を見ながら、幼少期の自分から今までを振り返り、どんなときに自分が充実していたか、何をしているときが面白かったか、いくらやっても飽きなかったことなどを思い出すように推奨されています。

 

 

次に、書き出した動詞を以下3つに仕分けします。

 

①T:Thinking【考える力】

②C:Communication【伝える力】

③L:Leadership【変化を起こす力】

 

この3つは、どの職能においても重要なビジネスパーソンとしてのコンピテンシーとして著者が分類しています。

 

そして仕分け後、最も集中している系統こそが自分の属性となり、そこに強みが現れています。

 

まとめはこちら。

 

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P141 図表を抜粋

 

私はおそらく、Tの傾向が強い気がしました。

 

(TというとTT兄弟を思い出してしまう・・・)

 

これでわかった自分の強みを伸ばしていける会社を選べば、自分のキャリア目的を達成しやすくなるということですね。

 

 

その2.「My Brand」の設計図

 

続いて、マーケティングノウハウをキャリア戦略に応用させた自分自身のブランディング手法についてです。

 

 

自分をブランディングするとはどういうことなのでしょうか?

 

購買者の頭の中で自社ブランドが選ばれる確率が上がるようにブランドへのイメージを操作することを「ブランディング」という。そのブランディングこそがマーケターの仕事の核心だ。

(P162引用)

 

つまり、キャリア戦略において「自分をブランディングする」とは、面接官や評価してほしい相手が自分という商品を選んでくれる確率を上げるために、自分自身のイメージを操作することといえそうです。

 

そのためには「My Brand」をしっかり設定し、それ通りに自分が認識されるように、一貫した行動を心がけることが必要になります。

 

ここでキーとなる「My Brand」の設計図は下記のようなピラミッドを用います。

 

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P165 ブランド・エクイティー・ピラミッド(キャリア開発用・簡易版)抜粋

 

これは実際にマーケティングで活用されるブランド設計と共通しており、キャリア開発用に作成されたようです。

 

まずは上から順に設定していきます。

 

①攻略する市場:ブランドが参入する活動領域

(キャリア戦略に置き換え:自分の資源を活かす労働市場

(例)「自動車業界」「女性にとって働きやすい職場」「マーケティングを習得できる会社」など

 

 ②ターゲット:資源を集中的に投入する標的

 (キャリア戦略に置き換え:少しでも時間や気力などの資源を費やして、 My Brandのイメージを残すべきくくり)

(例)「面接官」「相手企業の関係者」

 

③便益:購買者がそのブランドを買う本質的な理由、価値

(キャリア戦略に置き換え:相手企業にとって自分を選ぶ理由、価値)

(例)リーダーシップに優れている

 

④RTB:ブランドの便益を信じさせる根拠

(キャリア戦略に置き換え:自分の価値を信じさせる根拠)

(例)部長や委員長などに選抜されて成果を残していること

 

⑤便益を提供する主な手段:便益を具体的に実行するためのプラン

(キャリア戦略に置き換え:便益が発揮される具体的な方法)

(例)困難な状況でも人のモチベーションをあげる、感情に流されずに正しい判断をする姿勢が常に一貫している

 

⑥ブランドキャラクター:擬人化したブランドの性格

(キャリア戦略に置き換え:ターゲットからどのような人柄だと思われたいか)

(例)積極的、冷静沈着

 

 

このように1つ1つ設定しながら、My Brand設計図を作成していきます。

 

私も作成してみました。

 

 

 

・・・と言いたいところですが、これはかなり時間がかかりそう!!

ということでまた今度、時間を見つけてじっくり取り組んでみたいと思います。

 

これが完成すれば、あとは設計図に沿って一貫した行動を取り、結果を出していくことで、理想の自分に近づき、人生の目的を達成することができるでしょう。

 

 

キャリアコンサルタントで学習した、レビンソンの成人発達理論でいえば、28~33歳はまさに「30歳の過渡期」として新たな人生への重要な選択に悩む時期。

 

今後のキャリアをどうするか、まずは人生の目的を設定して、その目的を達成するためにキャリア戦略を立て、My Brand設計図に沿って、理想の自分に向かって努力していきたいですね!

 

 

今回はキャリア戦略を考える方法などテクニカルな話に終始してしまいましたが、本書では、著者の力強い思いが伝わってきて、怖がらずに挑戦してみよう!と背中を押してくれるような本だと感じました。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

大阪ではまたコロナ感染者が増えてきて、まんぼうから緊急事態宣言が再発令となりそうですね・・

USJのマリオカート乗りたいけどいつになるかなぁ~