20_「人を見る目を養い、相手の心にディープ・ダイブ!」

皆さん!GWですよー!!

いかがお過ごしでしょうか?

 

今日から連休に入る人が多く、ニュースでは高速道路の渋滞や新幹線の混雑が報じられ、街中では外国の方も増えてきたように感じます。

コロナが落ち着いてきて、やっと日常が戻ってきましたね。

今年はお祭りや花火大会も行けるかな~

 

はい!今回は短スパンで更新です!!!

(私の中では)

しかも切りよく20冊目!

今年はこの調子でいくぞ~!

(やる気だけは十分)

 

先日、久しぶりに大きな書店に行ってプラプラしていたら、あらゆるコーナーに並べられていた本が気になって手に取ったのですが、レジが並んでいたので、よーし、近所の本屋で買おっと。と思って行ってみたら、まさかのお目当ての本が置いておらず、ええーと落胆しつつ、結局、次の日、勤務地の近くの本屋で手に入れました。

(長いですね)

 

なかなか手に入らなかった幻の本(?)が、こちらです。

 

20_「経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術」

 

これ手に入れるまでは時間がかかりましたが、ページをめくり始めたら1~2日で読み終わりました。

なんといっても、著者のテンポの良い語り口がたまりません。笑

難しい言葉を使わず、長々書くこともなく、たまにクスっとなるようなツッコミあり。さすが人と対峙されているプロだなぁと感心しました。

 

そんな語り手(本来は聞き手?)のプロが、本書の著者である小野壮彦さん。

ベンチャーでうまくいかなくなったとき、我が子の寝顔を見ながら、自分が一番稼げることは何か?と考え探した末に「人を選ぶ」仕事、エゴンゼンダー社でのヘッドハンターとなりました。そこで習得したノウハウを本書で紹介してくださっています。

 

このエゴンゼンダー社というのが初めて知ったのですが、かなりイカつい会社です!

エゴンゼンダーは、スイスに本拠地の置く「超高級ヘッドハンティング集団」。

大手企業の後継者選びや、経営陣の人選びをお手伝いするが、対象人材は年に1億円以上稼ぐようなトップクラスのエグゼクティブであり、人選びの失敗は許されない。

特に驚いたのは、同社への入社面接回数は、ミニマムで30回もあるという!!

(3回の間違いではない!)←著者自らこのツッコミ最高でした。笑

 

面接をくぐり抜けた小野さんは只者ではないはず・・

私のような凡人は決して経験することのない貴重な話を公開してくださったことに感謝しながら、ありがたく習得させていただきます。

 

その1.人を見るためのフレームワーク

 

みなさんはこんな面接をした/受けたことはありませんか?

 

行き当たりばったりに聞いていく

面接のチェック項目があり、表面的に確認していく

自分が興味のあるところだけ深掘りしていく

 

ありがちな例を挙げてみましたが、このような面接では、人によって聞く内容に偏りが生じたり、本来聞くべきことの抜け漏れが発生したりする可能性がありますよね。

 

そもそも、「採用面接って何を聞いたらよいの?」という方や、自己流で進めてしまっているという方も多いのではないでしょうか?

 

そこで著者は、私たちが人を選ぶスキルを高めていくために、フレームワーク(型)を持つことが近道だと述べています。

 

人を見るための思考の枠組みとなるフレームワークを持ってはじめて、なりゆき任せではない、意志を込めた試行錯誤が可能となり、習得が進むのである。

(本書P77引用)

 

いきなり醍醐味!!秘伝のフレームワークが次の通りです!!

 

人を4つの階層で捉える(本書P78図表を参考に作成)

 

人を見る際、人間を建築物のように階層として捉えていく。

地上に出ている部分ほど他人から見えやすく、変わりやすい。

地下に潜れば潜るほど見えにくく、変わりにくい。

 

それでは、各階層について説明していきます。

 

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地上1階:「経験・知識・スキル」

これらの内容は履歴書類を見るだけで読み解くことができる。

ただし、捏造できてしまうような浅い情報であるため、これだけを聞いて判断してしまうのはリスクがある。

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地下1階:「コンピテンシー

より深く相手を知るために、コンピテンシー(行動特性)を確認していく。

コンピテンシー面接については

11_「絶対に成功する科学的な採用面接とは?」 - odmik’s diary

をご参考ください!)

 

コンピテンシーを確認する際は、相手の「意見」ではなく「事実」を聞くことに注視し、将来の行動を予測する。

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地下2階:「ポテンシャル」

地上階や地下1階の内容は学習と体験を通じて習得でき、変化していくもの(コップに注がれる水)であるが、地下2階はポテンシャル=器(コップそのもの)になる。

 

「伸びしろですねぇ」

(by  本田圭佑

 

「伸びしろしかないわっ」

(by  Creepy Nuts

 

エゴンゼンダー社が2014年に発表したのが「ポテンシャル・モデル」であり、人の器は4つの因子で測ることができる。

(以下、本書P98-100引用)

 

ポテンシャル因子①「好奇心」

新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと、学習と変化への開放性

 

ポテンシャル因子②「洞察力」

新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ

 

ポテンシャル因子③「共鳴力」

感情と論理を使って、自身の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人々とつながろうとするエネルギーの強さ

 

ポテンシャル因子④「胆力」

大きなチャレンジがある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つ

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地下3階:「ソース・オブ・エナジー

これは地下2階まででは説明しきれない相手の精神性について、著者が提唱したコンセプトである。ソース・オブ・エナジー(エネルギーの源泉)を構成するのは次の2つ。

 

「使命感」

「子供の頃に家族を病気で失ったので、自分がいつかその病気を治したい」

「若い頃に旅した発展途上国の子供たちを何とかしてあげたい」

といったような、揺るがない強固な精神性

 

「劣等感」

貧乏、兄弟姉妹、学歴、外見、いじめ、などの環境やきっかけから持つコンプレックス

アドラーがいうように、劣等感を補うために努力することで人は成長できますよね)

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まず、このフレームワークを見た時にハッとしたことは、私はこれまでの面接で、過去の実績や行動特性(地下1階まで)のみ確認していたということです。

現代は移り変わりが早く、現状求められている能力が2~3年後には変わっている可能性があり、過去を評価した指標だけでは不足しています。今後は、成長のできるポテンシャルを持つ人材が望まれます。

とはいっても、ポテンシャルだけ見ていては即戦力につながりませんので、過去と未来の両面を見ていく必要があると考えました。

また、ソース・オブ・エナジーは非常に納得できます。これがあるかないかで、仕事ぶりが全く異なるだろうということは想像に難くないですね。

著者は志望動機を聞くことは意味がないという見解ですが、私も同意見で、採用面接では聞かないようにしています。

ただその代わり、転職理由やこれまでの経験などを聞くことから、相手のソース・オブ・エナジー(その人の強い想い)があるかどうか確認できるはずですので、これからはこの観点を頭に入れて面接に臨みたいと思います。

 

 

その2.面接に臨む心構え

 

続いて、本書では実践メソッドとして、面接に臨む心構えがいくつか説明されていますが、その中でも特に覚えておきたい点をまとめます。

 

と・・箇条書きしたところで面白くないので、今回は学んだ内容を踏まえて、私がこれから実践したいと思う面接の流れをイメージしてみたいと思います。

しばしodmik劇場にお付き合いくださいませ。

 

 

~とある面接の20分前~

 

よーし、次は〇〇さんの面接だな。温かい紅茶でも飲みながら、履歴書類をもう一度確認するか。

(人を見ることは非常に繊細で集中力を要する行為のため、まずは自らの心を整えて挑みたい。本書P132より。)

 

あ、〇〇さんが当社の受付に到着したみたいだ。

とびっきりの笑顔でお迎えしよう。

(相手はこれから面接ということで少なくとも緊張している。身構えているところに満面の笑みで現れたらギャップ萌えだ。本書P139より。)

 

まずは相手をリラックスさせるため、アイスブレイクするぞ。

「今日はご来社ありがとうございます。」

「ここまで迷わず来られましたか?」

(相手の素の姿を捉えないまま間違った人を採用してしまえば大きな損失になる。最初の1分間のショート・トークを無駄にしないだけで、面接の質は格段に上がる。本書P144より)

 

~面接中~

 

自分の脳をボーっとさせ、相手の全体像を捉えよう。

あれ・・今、候補者の顔が一瞬曇ったような・・

(人間の脳はリラックスした状態のときにもっとも活性化される=デフォルト・モード・ネットワーク。相手の回答を理解、整理することばかりに集中すれば、表情やリアクションなどの重要なファクターが目に入らない。本書P166より。)

 

~面接終了後~

 

良い人だったけど・・なんだろう、何か引っかかるな。

エージェントに聞いてみるか、次の面接で確認してもらおうか・・

(モヤモヤした気持ちが浮かんだらスルーせず、何かあるかもしれないと疑ってみた方がよい。こうした違和感は人間の脳に与えられた危険察知能力なのかもしれない。本書P168より。)

 

~To be continued~

 

やはりエゴンゼンダー社であっても、相手がトップエグゼクティブであっても、面接の基本姿勢は変わらないのだと安心しました。

まずは笑顔で自分も相手もリラックスできる雰囲気をつくる。相手に素を出してもらうためには、私たち面接する側の心構えにかかっています。

 

人を見るためのフレームワークと併せて実践し、「意識的に見る・考える」ことを繰り返しながら体に染みこなせ(スポーツのように!)、人を選ぶスキルを高めていきたいです。

 

 

本書では、採用面接をする場面だけでなく、ビジネスにおける人を見る場面(リーダーを選ぶ、部下のポテンシャルを見極めるなど)や、プライベートで人を見る場面(仲間を探す、デートの相手を探すなど)の視点も踏まえているため、だれでも役立つ知識が身につくと思います。

 

最後に、終章で印象に残った著者のメッセージを受け止め、まとめさせていただきます。

 

もちろん他人を完璧に見抜くことはできないし、人は時間とともに変化し成長していきます。だからこそ、相手はこういう人だと決めつけるのではなく、愛を持って人を見続けていきましょう。

 

 

本日もありがとうございました!

 

 

アディショナルタイム

 

みなさんズッキーニのお花って見たことありますか?

うちで育てているズッキーニの可愛いお花が咲きましたので、お披露目です。

 

 

夏には実ができるといいな~