29_「カイシャ消滅とその先にあるものとは?自律と共感で動く未来の社(やしろ)!」

ぎゃっ・・また前回の投稿から半年経ってしまう・・

30冊までの道のりが長すぎる~

 

最近は、マーサーカレッジの人事関連知識を体系的かつ横断的に学べるeラーニングの受講期限が1月末だったので、それをひたすら受けていたのです・・

 

はい、言い訳はそのあたりにして・・

 

みなさんはAIを活用されていますか?

ここ数年で一気に進化し、日常的にも活用される場面が増えてきました。

私はGeminiちゃんを愛用していて、困ったことや迷うことがあればすぐに相談しています。

使っている皆さんはわかると思いますが、このAIがかなーり優秀ですよね。

よって、ちまたでは「AIに仕事が乗っ取られる?!」なんてささやかれていますが、私は人事として、この先、AIの台頭によって私たちの仕事や働き方がどのように変わるのか、大変興味があります。

その矢先に本屋で見つけたのが、ちょっとタイトルにギョッとするこちらの本です。

 

29_「カイシャがなくなる日」

 

え?会社ってなくなるの?!

それって仕事しなくていいってこと?!(楽観的な人)

どうやってお金を稼いだらよいの?!(心配性な人)

働く人すべてが気になる内容ではないでしょうか。

 

筆者は京都先端科学大学の教授である名和高司先生。

「パーパス経営」や「エシックス経営」、「シン日本流経営」など、現代の重要なキーワードや考え方を日本企業に根付かせた第一人者であり、まさに日本経営学会のトップランナーです!

 

さらに、本書は構成が独特で面白いと思いました。

筆者自身を投影させたタカシ先生のゼミを舞台に、3人の学生がそれぞれ議論しながら未来のシナリオを描いていくという物語風になっています。

 

正直、私は3人の会話についていけない場面が多々あり・・(おいていかないで~)

未来を予測するにあたり、歴史から哲学、生物学、経済学など、多角的でハイレベルなディスカッション過ぎて、このような物語の構成でなければ、まったく頭に入ってこなかったかもしれません。

 

今回、400ページもある情報洪水の中で、どこを取り上げたらよいのやら、とても難しいのですが、

そもそも会社って何か?

会社は今後どうなっていくのか?

この先、私たちはどうしたらよいのか?

このような流れでまとめていきたいと思います。

 

みなさんもタカシ先生ゼミの一員になったつもりで、

一緒に学んでいきましょう!

 

その1.会社の語源と意味

 

そもそも会社とはなんでしょうか?

 

語源としては、「社(やしろ)」つまり土地の守り神であり、そこに村ビトが集まるのでそのような場を「会社」と呼んでいたそうです。

(本書P33引用)

 

簡単に言えば「人が集まる場」。

そこから現代のように社会課題を解決し、利益を追求するような組織に変貌していくのでしょうが、なんと現存する世界最古の会社が、日本にあるってご存知でしょうか?!

 

それが、大阪・天王寺にある「金剛組」という会社で、なんと創立が578年!

創業100年ですと言われても老舗だな~と思うのに、1400年以上も続く会社って信じられません・・!

金剛組 | 西暦578年創業 世界最古の企業

 

金剛組は、聖徳太子が四天王寺を建立するために百済から宮大工を招へいしたことからはじまり、会社として組織化されていったそうです。

現在も神社仏閣の修復作業などを手掛けています。

 

この会社がなくなれば、日本の伝統文化が守られない・・

このような、社会にとって必要不可欠な存在となった組織は時代の荒波を超えて生き残り続けるのではないかと感じました。

 

さらに驚いたのが、日本には長寿企業が多いそうです。

世界にある創業100年以上の企業数は日本がトップであり、そのうち約41%の比率を占めています。(2022年時点)

 

さて、世界に視野を広げてみましょう。

 

会社を英語にすると、

Companyカンパニー)またはEnterpriseエンタープライズ)といいますね。

 

カンパニーの語源は、ラテン語の「com(共に)」と「panis(パンを一緒に食べる)」が組み合わさった言葉。「教会のミサでパンを食べる仲間たち」がカンパニーの元型だそうです。(本書P54引用)

 

一方、エンタープライズはフランス語の「冒険」を意味します。

日本語の「企業」という言葉も「事業を企てる」ことで、エンタープライズの意味合いに近しいかもしれません。

 

(Gemini作成)

 

この2つの言葉は似て非なるもの、しかし切り離せない関係であり、

何かを実現したいという企てと、その想いに共感する仲間の両方がないと、カイシャとして成り立っていかないはずです。

(本書P55引用)

 

ここまでを踏まえて、私なりに考えた会社の定義は次の通りです!

 

「同じ想いをもって集まった仲間が世に必要な事業を行う組織」

 

みなさんも会社とは何か、イメージがつきましたか?

 

その2.会社の未来

 

会社は今後どうなるのでしょうか?

 

未来を予測するのは難しいことですが、私はこの言葉が心に残りました。

 

「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ」

The best way to predict the future is to invent it.

by アラン・ケイ(パーソナルコンピューターの父ともいわれるアメリカの科学者)

 

言われれば当たり前かもしれませんが、これは逆に、今あらゆる会社が発明しようとしていること、取り組んでいること、すでに起こり始めていることに目を向ければ未来はより具体的に予想することができるのではないかと思いました。

 

そして、経済学者のシュンペーターは当時の状況(約80年前)を見て、次のようなプロセスで「会社は自滅していく」と予言しています。

 

かつては個人の情熱やアイディアで動いていた経済だが、会社の巨大化によって所有主の存在が薄れていく

→大切な家族や子孫のためにこの事業を残していこうとわざわざリスクを取って守ろうとする人はいなくなる

→すると、「自分の生きている間だけ良ければよい」という極めて短い時間軸でしか物事を考えなくなる

→会社が破綻していく

 

これはみなさん思い当たる節はありませんか?

私の肌感覚でも、自分が働く会社を自分事として捉え、本気で会社の未来を考えて動いている人はかなり少ないと思います。

逆に、会社には無関心であり、「給料をもらえさえすればよい」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。

このような人が多い会社は自滅していく、という理論は想像がつきます。

 

その後はどうなるのか?

 

一つのカギとなるのはインターネットの進化です。

現在のインターネットはGoogleやAppleなどの巨大IT企業が提供するプラットフォームに依存しており、企業の手で管理・運営されていますが、今後はユーザー自身が操る世の中がやってくるようです。

本書でも活用されているサイトの図を引用させていただきます。

 

NTTドコモビジネスHPより引用(2023.03.27記事)

上図の通り、現在がWeb2.0。そしてブロックチェーンなどを使ってユーザーがサーバーを経由することなしに、自身の手でデータを管理・運用できるようになるWeb3.0がこれからやってくるのですね。

 

Web3.0の世界では、組織はDAOへと進化していきます。Decentrailized Autonomous Organization、すなわち分散型自律組織です。

(本書P84引用)

 

DAO(ダオ)は、ブロックチェーン上で管理・運営される組織です。ネットを介して誰もが自由に参加し、役職による指示系統なく、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を軸にそれぞれのメンバーが自律的に動きます。

 

世界初DAOの事例として知られているのが、「ビットコイン」です!

中央管理者を置くことなしに、投資家それぞれがブロックチェーン技術によって仮想通貨の取引を行っています。

 

(ドージコインの柴犬もびっくりダオ!)

 

「カイシャ」という組織構造はいらなくなる、ということです。

個人が自由に参加できるプロジェクトのようなものになる、といったらわかりやすいでしょうか。

こうして、すべてのカイシャが「なくなる日」を迎えることになるのです。

(本書P85引用)

 

つまり、会社に所属するのではなく、各個人が自身の想いに基づいてネット上のプロジェクトに参加し、誰かの指示ではなく、自律的に動いていくという未来が待っているのでしょうか。

 

その3.未来の人財要件

 

それでは、この先、私たちはどうしたらよいのでしょうか?

 

本書では、宇宙のビッグバンを例に挙げており、大爆発後、

混とんとした宇宙は本来発散していくはずなのになぜか同じ動きをする一群が生まれてくる。それがほかの個体をひきこみ、絶えず動きながら、一定の軌道を描き始める

(本書P163引用)

 

このように、一見するとバラバラな予測不能な動きの中に、ある一定のパターンが生まれてくる。これはカオス理論という科学分野で「ストレンジ・アトラクター」と呼ばれます。

 

ローレンツ方程式 - Wikipedia

(ローレンツ方程式のストレンジ・アトラクター Wikipediaから画像引用)

 

とても不思議ですね。

これを組織に置き換えてみると、ビックバンでバラバラになった個体も、何か「ひきこみ(アトラクター)」によって組織化されていくのではないか。

 

では、今後の組織をつくるストレンジ・アトラクター、つまり「目に見えない求心力」は何でしょうか?

 

自由な時空におけるストレンジ・アトラクターの正体は、中心星の引力ではなく、「場に広がる共感」なのかもしれないという本書の答えは非常に納得できました。

 

ということは、同時に、個人には「想い」を持つことが求められるのではないかと考えました。

 

もし「今後自分はこれがやりたい」「社会のためにこれがしたい」という想いがなければ、どのプロジェクトに参加するべきかわかりませんし、参加したとしても続けることが難しい気がします。

これまで「会社」に所属していれば、想いがなくても、上司の指示に従って動いていれば良かったのに。DAOの組織では、これまで以上に自分がこうしたいという想いが重要になるのではないでしょうか?

 

本書でも、カイシャは会社員にとって都合の良い逃走先として表現されていましたが、

まさに、人によっては酷な世の中がやってくるかもしれません。

 

そしてもう1つ違う視点。

 

AIとの共生がもう目の前にやってきている中、

人間が求められるスキルは何でしょうか?

 

タカシ先生は次世代人財の要件として、次の図を示しています。

次世代人財に求められる三つのQ(本書P281図を参照し作成)

 

IQは知能指数、EQは感情の知能指数を表していており、よく聞かれる言葉かと思います。

これらに加えて、タカシ先生は「JQ」も提唱されています。

JQは、Judgment Quotient、すなわち「判断」の軸ということです。

 

これは私も最近身をもって感じるのですが、AIがいくら進化しても、判断・意思決定するのは人間の役目。

となると、AIが吐き出した内容の是非を判断する力が問われることになります。

そして判断するには、基礎知識や経験は依然として必要になりますよね。

 

この3つのQを向上していくとともに、次の3つの行動力を研ぎ澄ますことが重要だとタカシ先生は論じています。

 

「真」:複雑系の関係性を正しい方向に牽引する力~システム(開放系・非連続)行動

「善」:共感善を基軸とした判断に基づき、リスクテークする決断力~エシックス行動

「美」:人の心をつかみ、束ね、組織行動に導くひきこみ力~アート行動

(本書P282引用)

 

よって、Web3.0、AI時代においては、

自分の想いはどこにあるのか?という自己理解を深め物事の善し悪しを判断する力(JQ)を身に付けていく必要があるということがわかりました。

 

 

いや~、今回はボケる暇がないほど(?)盛り盛りの内容でしたね!!

本書は私の頭ではなかなか処理が追い付かないほど沢山の視点や情報が含まれているのですが、随所で参考図書が紹介されているので、関心あるテーマはより深堀りするきっかけを与えてくれます。

 

未来の会社、組織、働き方、ヒトについて考えるには、多様で幅広い知識や視点が必要なんだと改めて感じました。

 

 

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

~アディショナルタイム~

今日は急に暖かくなって、意気揚々と朝スーパーに出かけたら、くしゃみが止まらなくなりました。そう、花粉症のはじまりです・・

花粉さえなければ良い季節なのに~

先々週は雪が降る中、西洋美術館でモネやルノワールの色彩に触れてきました。来週はバイオリンのコンサートに足を運びます。

芸術に心を寄せ、人間としての感性を磨く今日この頃です。

 

28_「まず、ちゃんと聴くことで見える相手の真意!」

みなさまお疲れ様です。

 

ついに9月に入りまして、まだまだ暑いものの、そろそろ蝉の声が遠くなってきましたね。

この前、家の中でテレビを見ているときに、なんか「リンリン」鳴っているな・・と思い、その音の方向に歩いていくと、静かになる。また遠ざかると「リンリン」する。

これは・・何かいるな?と思ったところ、なんと鈴虫が部屋の中に入っていました!!

鈴虫の成虫は飛べないそうで、のこのこ歩いて誰かのあとについてきたのだろうと想像すると、虫嫌いの私でさえちょっと微笑ましく感じるのでした。

 

さて、最近は自社だけでなく、社外でも経験を積んで社会貢献できるようになりたい!と考えていたところ、たまたまエール株式会社という会社のセミナーに参加しました。

そこで、同社が「聴く」をテーマとした社外人材による1 on 1研修を提供しており、そのサポーターに応募できると知って、すぐさま登録手続きを進めました。

(詳細は以下サイトご参照)

社外人材との1on1を活用した傾聴研修・コミュニケーション研修・マネジメント〜若手向け研修 | 社外人材との1on1研修なら【エール】

 

ならば!エール社長著書の1つや2つは読まなければ!という思考になり、セミナーでも紹介されていたこちらの書籍を購入しました。

 

28_「まず、ちゃんと、聴く。」

 

著者の櫻井将さんはエール社の現代表取締役です。

「聴く」ことの価値と可能性を強く感じ、ご自身も日々「聴く」に向き合い続けているそうです。

 

よく管理職研修などで、「傾聴」が大事という話を聞きますよね。

もしかすると、皆さんの中では「何か言いたいことがあったとしてもとりあえず我慢して相手の話を黙って聞く」といったイメージがあるかもしれません。

しかし、櫻井社長は、「聴く」ということをより深く、より明確に定義されています。

 

「聴く」とはどういうことなのか?

なぜ「聴く」ことが大事なのか?

どのように「聴く」のが良いのか?

 

本書ではこれらの疑問をすべて論理的に解説されています。

さらに私が驚いたのは、「聴く」だけでなく、その先に「伝える」ことについても説明されていたことです。

 

なるほど、だからタイトルが、「まず」、ちゃんと聴くなのか。

 

相手の話を聴くことの重要性は誰しもわかっているけども、聴くだけでは解決されないこともあると社長は理解しているうえで、より現実的な対応にフォーカスされているのです。

これは、ご自身が机上の空論ではなく現実世界で経験してきた実体験をもって得られた考え方だということは自明です。

 

本書の構成としては、最初に「聴く」について、次に「伝える」について、最後に「聴く」と「伝える」の両立について、といった順番で展開されています。

 

「伝える」についても説明されていることにびっくりしたと言いながら、やはり今回は「聴く」をしっかりインプットしたいと思いますので、「聴く」のみに焦点を当ててまとめていきます。

 

Hey, Let's learn to Listen!

(なぜか英語)

 

その1.「まず、ちゃんと聴く。」の意味

 

ちょっと独特な本書のタイトルですが、「まず」「ちゃんと」「聴く」という3つの日本語で構成されており、それぞれ明確に定義されています。

これらの本質を理解することが何より重要なステップになると考えるため、本書に倣って、「聴く」→「ちゃんと」→「まず」の順番で整理していきます。

 

「聴く」

本書では、「自分の解釈を入れることなく、意識的に耳を傾ける行為」を聴くと定義する。

(本書P24引用)

 

自分の解釈を入れない=Withoutジャッジメントが鍵となります。

 

一般的に、人は相手が話しているとき、自分の解釈(評価や分析、判断などを含む)を自然としながら聞いていると思います。

「それは素晴らしい!」「本当にそうかな?」「この人はこういう人なのかな?」など心の中で思ったり、もしくは口に出して応答したり。

これはWithジャッジメントであり、「聞く」という漢字の方だとされています。

 

一方、「聴く」では、相手が何か話したときに、「あなたはそう思うのですね」と、自分の意見は脇に置いておいて、相手の言葉をそのまま受け取る。

自分の関心事ではなく、相手の関心事に注意を向けます。

 

(↑生成AIに画像作ってもらったけど、ちょっと怖い)

 

キャリアコンサルタントの勉強をしているときには「話し手と同じ景色を見に行く」感覚で話を進めると教わりましたが、これに通ずるところがあると思いました。

Withoutジャッジメントで聴くことで、相手は安心して本音を話すことができ、より本質的な問題を一緒に探ることができます。

 

「ちゃんと」

本書では、「相手の言動の背景には、肯定的意図があると信じている状態で聴く」が「ちゃんと聴く」であると定義する。

(本書P34-35引用)

 

ここでキーワードとなる肯定的意図というのは、「自分とは違った意見や考え方、社会のルールや規範とは異なった言動であったとしても、その背景には必ず肯定的意図がある」という物事の捉え方だ。

(本書P76引用)

 

本書の例をお借りすると、

もしもあなたの子供が万引きをして家に帰ってきたとする。

万引きという行為は決して良い行為ではないが、きっと何か肯定的意図があるはずだという信念を持って関ってみる。

「万引きしたんだね」

「万引きする前はどんなことを考えていたの?」

すると子供は「話してみよう」という心持ちとなり、子供の主観的世界の中での肯定的な意図が見えてくるかもしれません。

 

(made by 生成AI)

 

ただ、ここで注意しないといけないことは、肯定的意図があることと万引きという行為を肯定することは同義ではなく、意図と行為は切り離して考えるということです。

 

この肯定的意図を持って話を聴くというあり方は、話をする相手に伝わります。

「全く、万引きなんてしやがって!」など考えながら表情や言動では穏やかに子供と対峙する、なんて器用なことはなかなかできないですよね。

だからこそ、この「あり方」は相手が心を開く大事なファクターになるのだろうと思います。

 

「まず」

「まず」ということは、その次に何かがある。聴くというのは選択し得る表現手段の1つである。あくまで手段であって目的ではない。

(本書P22引用)

 

なるほど。確かに、「聴けばよいんでしょ」と言って、一辺倒にただ聴くだけで物事がすべて解決したらこれほど楽なことはないですよね。

逆に、特に聴くことなしに伝えるだけで解決することもあります。

「この資料はどこにありますか?」「ここにあります」といった会話であれば、わざわざ「聴く」ことを意識しなくても解決しますね。

ただし、話が複雑、未知のテーマ、葛藤や対立がある、またはこだわりや想いが強い内容である時には、自分の知識や経験、考えや意見を「伝える」だけではうまくいかないことが多い。そういう時こそ、「まず」ちゃんと聴くことが大事ということです。

(本書P42-43引用)

 

例えばこんな場面を想像してください。

 

部下「最近、なんだかモヤモヤするんです・・」

上司「そうか。じゃあ今日は早く帰って早く寝てしまったらどうだい?」

(made by 生成AI なぜか急に漫画風)

 

さて、この部下の心はスッキリするでしょうか?

 

もし私がこの部下だったら、「そうですね、もう帰って寝ます!」と笑顔で言いながら、「もうこの上司には話しても無駄だ」と、心を閉ざしてしまいそうです。(閉店ガラガラ)

 

そんなときに、上司が部下の話に耳を傾け、「どうしたの?もう少し詳しく教えて!」と、まず聴いてくれたら、「なんだか、成長している感じがしないんです」などと話が進み、十分聴いてからの方がより適切なアドバイスをしたり対応がとれたりするかもしれません。

 

よって、アドバイスしたり反対意見を伝えたり、その先の行動をとるにしても、「まず」聴いてからの方が、話の解像度を上げ、結果的に双方にとって効率的かつ気持ちよく事が進められるということです。

 

 

つまり、「まず、ちゃんと聴く。」とは、相手が安心して本音を話せるような土台を作ることで、より本質的な話ができるようになるということだと思いました。

これがビジネスにおいては表面的な解決ではなく、本質的な問題解決につながるのでしょう。

 

その2.「聴く力」の方程式

 

その1でまとめたのは、相手の話を聴く「あり方」でしたが、あり方に加えて、やはり「やり方」も習得することで、より効果を発揮することができます。

つまり、聴くというスキルを高めていく必要があります。

 

著者は「聴く力」を次のような方程式で表しています。

聴く力の方程式(本書P40図を参考に作成)


聴く力は、聴く技術とコンディションの掛け算となります。

どんなに聴く技術があっても、体調が悪かったり、環境が適していなかったりとコンディションが良くなければ聴く力は発揮されにくい。

スポーツなどと同様、まずは聴く際のコンディションを整えることも重要ということですね。

 

そして、聴く技術は、あり方とやり方の掛け算です。

あり方は「まず、ちゃんと聴く。」という信念で、やり方は非言語スキルと言語スキルに分かれます。

 

有名なメラビアンの法則で示される通り、言語情報だけでなく、非言語情報(視覚情報・聴覚情報)が相手に与える影響はより大きい。

 

ただ、非言語スキルは見た目や表情、声のトーンに気を付けるなどとイメージがつきやすいですが、聴くときの言語スキルというと、どんなスキルになるでしょうか?

 

その3.「聴くマップ」で話の現在地を知る

 

聴くときの言語スキルは、質問スキルや話の進め方といったスキルを指します。

このスキルによって、格段と話の解像度が上がり、本質的問題解決に進むスピードが加速すると思います。

 

相手の話を聴いていると、「あれ?次は何を質問したらよいんだろう?」「どのような方向性で話を進めたらよいんだろう?」などと迷うことはありませんか?

 

そんなときに私がぜひ今後活用したいと思ったのは、下の図「聴くMAP」です。

 

「聴くMAP」(本書P111の図を参考に作成)

 

縦軸に時間軸、横軸にプラス/マイナスを取っており、この図を頭の中でイメージしながら話の現在地を認識します。

そして、このマップを移動しながら様々な話を聴いていき、最終的には未来に向けてプラスの話をしていけると良いですよね。

 

さらに、具体度・抽象度の軸も加えていくとより実用性が高くなるということです。

「っていうと?」と具体的な言葉や場面を掘り下げたり、「つまり?」と話をまとめたりすることで、話の解像度を上げていくことができます。

 

ただ、すべて満遍なく聴いていく必要はありません。

人によって話しやすい道筋は異なるため、相手が考えやすい軸で移動させていきます。

 

全てを聴き尽くそうとするのではなく、どこまでも「相手の関心事」に関心を寄せて、相手にとって必要な部分の解像度を上げていくこと。その意識が「なんでも話してもらえる関係」を維持することにもつながっていく。

(本書P139引用)

 

ここまできて改めて気付いたのですが、

あくまで「聴く」ということは自分本位ではなく相手本位であると感じました。

 

 

さて、今回は「聴く」について深堀りしていきました。

こんなに「聴く」ことについて考えたことはなかったかもしれません。

しかし、今後やってくるAI時代において、この「聴く」がより重要になってくるのではないでしょうか。

相手の心情に寄り添いながら声なき声を「聴く」ことは、AIにはやはり難しく、人間同士だからこそ通じ合えることがあると信じています。

 

櫻井社長の考える「聴くの連鎖」に私も参加しながら、より良い社会になっていくことを祈ります。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

9月9日は重陽節句で、菊を飾りながら無病息災や長寿を願う日です。

昨日お花屋さんに行って初めて知り、菊のブーケを買って帰りました🌸

自然を愛でることも人間ならではの楽しみですよね!

 

27_「人生最大の占有者を納得できるものにするためには?」

うぅ~、暑い!!!

ついに梅雨明けて夏本番です。

といっても、近年は梅雨の期間が短くなってきて、「あら?もう明けたの?」という感覚です。

先日のテレビで石原良純さんも「最近は5月から11月まで、7ヶ月間が夏だ」と苦笑されていました。

 

温暖化の影響で各地の特産物が変わってきたり、野菜や果物の旬の時期も変わってきたり・・諸行無常の響きあり、ですな。(涼しい顔)

 

そして前回の更新では「2025年の私は一味違うぞ~」と言っておきながら、早4ヶ月が経ってしまった・・

今年の目標は30冊だから今回含めてあと4冊!まだいける!!がんばれわたし!!

 

今回は、X(旧Twitter)でたまたま誰かが紹介していた本が「あ!読んでみたいかも」と思ってネットで探したら、なんと!Kindleで無料で読めるじゃないか!!ということを発見し、早速こちらをダウンロードしてみました。

 

27_「働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える」

 

著者の村山昇氏は文具メーカーや経済記者などを経て、組織・人事コンサルタントとして独立。ご自身の肩書を「概念工作家」と表現されていて、まさに本書でも73もの概念をかみ砕いて記されていました。

(「概念工作家」という概念も工作されたのでしょうね)

 

本書では働くことに関する数えきれないほどのあらゆる考え方が盛り込まれていますが、その中でも今回は私が新たな気付きにつながった内容について、皆様にも共有できればと思います。

 

さぁ皆様もソクラテスになったつもりで(?)

頭をぐるぐる巡らせてみませんか?

 

 

その1.人生の占有者

 

私たちは一般的に一日8時間仕事をしている人が多いと思うのですが、職場までの通勤時間や昼食時間なども含めれば、起きている時間の大半を仕事に費やしています。

これが30~40年続くと考えると、人生全体でみたら膨大な時間を捧げることになりますね。

 

ここまでは私も考えたことがありました。

ただ、時間だけではないのです、仕事に「占有」されているのは

 

働いているときに過ごす場所、職場が占有され、

一緒に働いている人間関係も占有される。

よく、自分の家族より会社の人の方が一緒にいる時間が多いと言われることもありますよね。

さらに、帰宅してからご家族に上司の愚痴をこぼしたり、休日であっても仕事のことが頭をよぎったりすることはありませんか?

そう。私たちの頭や心さえ、仕事に占有されているのです。

 

仕事は、

「時間の占有者」であり、

「空間の占有者」であり、

「人間関係の占有者」であり、

「気持ちの占有者」である。

 

つまり、

現代人にとって仕事とはまさに、人生の「最大級の占有者」なのです。

(本書P18引用)

 

まったく、とんでもないやつですね!

 

 

ちなみに、私自身、昨年は英語学習に励んでいたのですが、英語のこの表現には全く気付いていませんでした。

 

「What is your occupation?」

 

単に「あなたの職業は何ですか?」と覚えていましたが、

なるほど、あなたの人生を占有しているもの(=occupation)は何ですか?という意味だったのですね。

 

もちろん、人生において仕事がすべてではないですが、これだけ自分を占有されている仕事に対しては、真剣に向き合う必要があると改めて感じました。

 

 

その2.時間の使い方

 

上述した通り、私たちは仕事に多くの時間を占有されています。

であれば、最大限に有意義な時間にしたいですよね。

 

しかしながら、目的を持たずにただ動き回っていて結果的に何も得られないという状態が発生する可能性があります。

 

この事象を2000年前の哲学者であるセネカ「怠惰な多忙」と呼んだそうです。

 

なんて的確な表現なんでしょう。

セネカは他にも、「人生が短いのではない。人が時間を浪費しているから短く感じるのだ。」といった名言も残されていますよね。

 

忙しいだけならアリやミツバチだって忙しい。

問題は何で忙しいかだ。

(本書P155引用)

 

忙しく毎日をただただこなしていると感じた時には、ちょっと立ち止まって「これは怠惰な多忙に陥っていないか?」と振り返り、「何のためにやっているのだっけ?」と本来の目的を考え直すことが必要かもしれません。

 

 

もう1つ、時間の使い方においてヒントになるお話があったので記録させてください。

 

 

セネカはそれほどメジャーな偉人ではないかもしれませんが、

ベートーヴェンは皆さんご存知ですよね?

音楽室にいたあの人です。

 

エリーゼのために」や「運命」など有名な曲がたくさんありますが、その中で、歓喜の歌」に関するお話です。

 

歓喜の歌ってどんな曲だっけ?と思った方!

 

ミーミーファーソーソーファーミーレードードーレーミーミーレレー♪

 

です!笑

きっと聞いたことあるはず。

 

本書を読んで初めて知ったのですが、この曲はもともと「歓喜に寄せて」という詩があり、当時23歳のベートーヴェンがそこに旋律をつけようと思いついたそうです。

 

そして完成されたのが、ベートーヴェンが54歳のとき。

実に30年もの時間を費やしてベートーヴェンにとっての一大仕事を成し遂げたのです。

 

完成されたときはどんな気持ちだったのだろう・・

 

確かに、私たちは日々、時間を無駄にせず効率的に仕事をすることが求められますが、

「長い時間×忍耐×創造性」によってのみ成しえる建設的な仕事があります。

(本書P43引用)

 

短期的な時間サイクルだけでなく、長期的な時間軸で大きな表現に挑む。

そんなライフワークテーマを見つけられたら、自分にとって意味のあるoccupationになるのではないでしょうか。

 

 

その3.選択力

 

突然ですが、皆さんは、

「あー、こっちじゃなくてあっちを選んでいればよかった!」

なんて後悔することはありませんか?

 

傘を持ってきていればよかった。

こう言えばよかった。

あの会社にいけばよかった。

 

小さな選択から大きな選択まで、私たちは日々無数の選択をしながら生きています。

後悔のない、自分の納得できる選択をしていくことが良い人生にもつながると思いませんか?

 

そこで、「選択力」について考えてみましょう!

 

選択する力とは何でしょうか?

 

本書では、次の3つに整理しています。

(以下、本書P240~242から引用)

 

1.選択肢を分析・判断する力

目の前にある選択肢のうちどれが最良のものか決める力、あるいは優先順位をつける力。情報を集めたり、違った視点でながめたり、本質的なことを洞察したり、人に助言を求めたりすることも必要になります。

 

2.選択肢をつくり出す力

選択肢を増やす力、呼び寄せる力。

今ある選択肢から選ぶだけでは状況打開ができないとき、新たな選択肢を作り出すことも必要です。

 

 

3.選択を(事後的に)正解にする力

自分が選んだ道をその後の努力で「これが正しかった!」と思える状況をつくる力。選択した時点では正しいか否かはわかりませんが、事後的に自分が納得できる形に持っていくことが重要です。

 

 

何か選択する際に、1.選択肢を分析・判断するだけでなく、2.何か新しい選択肢を作り出せないかと考えてみたり、3.選択を(事後的に)正解にしよう!と努力してみたり、3つの選択力を駆使することで、より可能性が広がっていくような気がします。

 

キャリアにおける重要な岐路においても、「どっちの道に進むべきか」と悩みがちですが、「ほかに道はないのか?」とまずは選択肢を広げてみたいですね!

そしてそれぞれ分析し、思い切って判断したならば、あとは正解になるよう努力するのみ!

 

自分にとって幸せだと思えるoccupation、キャリア、人生を築くために、

この「選択力」は誰にとっても大切な力だと思いました。

 

 

本書はタイトルにもある通り、360度、あらゆる視点で働くことについて考えを巡らせることができます。

今回取り上げた内容はほんの一部の一部です。

 

何か知識を身に付ける、というよりも、多様な概念や哲学に触れて、自分なりの答えを導き出す思索のヒントを得ることができると思います。

 

たまにはスマホを脇に置いて、本書片手に物思いにふける時間を過ごしてみるのも良いかもしれません。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

最近歓喜したのは、河村勇輝選手がNBAアメリカのバスケリーグ🏀)のシカゴ・ブルズというチームと2way契約できたこと!!!

もうね、河村選手のプレーは見てて楽しいし、活躍するととっても嬉しいのです!

毎日仕事から帰ったらYouTubeでチェックするのが一つの生きがいになっています。

シーズン開幕は10月。そのころには涼しくなってるかな?楽しみ楽しみ♪(^^♪

 

26_「企業と社員をつなぐエンプロイアビリティの向上!」

素晴らしい!今年早々に(?)2冊目の更新!

2025年の私は一味違うぞ~!!

 

3月に入って今年の冬もそろそろ終わりかなと油断していたのですが、都心では今月2回も季節外れの雪が降りましたね!

と思ったらこの週末はポカポカ陽気で花粉が飛散・・

完全に寒暖差と花粉で私の身体が悲惨になりました・・

(つまらないですが、一応"ひさん"をかけています・・)

 

 

今回は久しぶりに(?)上司からお借りした本ではなく、自分で購入した本です。

以前読んだ、「世界一流エンジニア思考法」(23_「信じて任せフォローする。世界一流リーダーシップの真髄!」 - odmik’s diary)の中で紹介されており、タイトルを見てすぐにAmazonでポチりました。

 

このタイトルは日本企業の人事として働く皆さんの関心ある疑問ではないでしょうか?

 

26_「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?」

 

私がすぐにポチったもう1つの理由は、著者がロッシェル・カップさんということです!

異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタントであり、日本語がめちゃ堪能!

日本の大手銀行で働いたのち、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングというご自身の会社を立ち上げ、日本企業のグローバル展開をサポートされています。

 

実は以前、SHRMという国際的な人事資格を取得する際に彼女の講義を受けまして、今思えばもっといろいろロッシェルさんの考えを聞いてみたかったと後悔しているのですが、本書を通じて少し対話ができたような気がします。

 

ちなみに本書は2015年2月1日に発行されており、もう10年が経っているのですが、きっと当時と今でそれほど状況は変わらないんじゃないの?と思い、躊躇なく読み進めました。

むしろ、ロッシェルさんが指摘した状況がどのように変わっているのか変わっていないのか、当時と今を比較しながら楽しむことができました。

 

今回、本書のタイトルにある「なぜ日本企業の社員はモチベーションが低いのか?」という内容はサラッと触れつつ、やはり「どうやってモチベーションを向上させることができるのか?」という命題をメインテーマとしてまとめていこうと思います。

 

ロッシェルさん、よろしくお願いいたします!

 

その1.雇用適性を保障する

 

まずは上述した通り、「なぜ日本企業の社員はモチベーションが低いのか?」という疑問からひも解いていきたいのですが、

一言でいえば、日本は伝統的なマネジメントから抜け出せていない!ということではないでしょうか・・

 

・安定した雇用関係、終身雇用、年功序列

・会社命令による頻繁な人事異動

・一律的な人事管理

長時間労働

・上司によるマイクロマネジメント

 

などなど、当時上手く回っていた方法が時代に合わなくなってきたのです。

このあたりはロッシェルさんの考え方と一般的にいわれる背景に大きな違いはありません。

ただ、本書が発行されてからおよそ3年後、2018年に「働き方改革関連法」が成立され、そろそろ長時間労働辞めようぜ!もっと柔軟に働こう!といった動きが広まりました。

 

ダイバシティ&インクルージョン(D&I)も浸透し始め、一人一人の価値観や個性を認め合おうとする風潮が高まりました。

 

雇用の流動化も進み、少しずつ変わってきているように感じます。

(ロッシェルさんの理想にはまだまだ遠いと思いますが・・苦笑)

 

また、終身雇用が約束されない現代において、ロッシェルさんの考える日本の新しい人事管理の一環として、企業は雇用を保障するのではなく、「雇用適性(エンプロイアビリティ)」を保障する方向に移行する必要があるという考え方には納得しました。

 

エンプロイアビリティ(Employability)とは、Employ(雇用する)と Ability(能力)を組み合わせた「雇用されうるだけの能力」の意です。(本書P31引用)

 

つまり、企業は社員が次の職に移る場合に市場価値の高い人材になるよう、挑戦的な仕事を提供したり、社員が成長できる環境を整えたり、能力開発できる魅力的な機会を与える必要があるということです。

 

これは、企業と社員の関係性が変化することを意味していると思ったのですが、絵で表すと、こんな感じでしょうか?

 

<これまでの日本企業と社員の関係性(雇用の保障)>

 

<これからの日本企業と社員の関係性(雇用適性の保障)>

 

「でも雇用適性が向上すれば、社員の転職を促すことになるんじゃないの?」と社長さんや人事さんの声が聞こえてきそうですが、そんな皆さんはロッシェルさんのお考えをお聞きください。

 

社員がもし今いる企業では自分の理想的なキャリアは築けないとして転職してしまったとしても、成長の機会を与えていればエンプロイアビリティが高まっており、自分に合った企業で活躍できる。これは日本経済全般にも恩恵をもたらすものだということです。

 

私も一企業の人事担当としてキャリア支援に取り組む際に、もしかしたら社員の自己理解が深まった結果、転職を選ぶことにつながるかもしれないと思うこともありますが、一人一人が自分の生き生きできる場所で働くことが、日本全体の利益のためには必要なのではないか。というスタンスで向き合うことにしました。

 

その2.モチベーション理論を組織視点で考える

 

では、どのように働く社員のモチベーションを高めることができるでしょうか?

 

モチベーションといえば、マズローの欲求5段階説ですね。

モチベーションを学ぶ際は必ず出現する理論といっても過言ではありませんので、すでに知っている方も多いと思いますが、簡単に言えば人間の欲求を5段階に分けたものです。

 

これはもちろん私も知っている理論であり、本書で出てきたときは「はいはい、いつものやつね」と思った矢先、私の心に電撃が走りました・・

 

これまでの私はこの説を個人視点でしか捉えていなかったのですが、本書では組織視点で説明されていたのです。

 

あぁ・・そうか・・

人事の私はこの説を組織視点で捉える必要があったのか・・

 

ということで、いつも見るピラミッド図を用いつつ、改めて組織視点で考えていきましょう!

(組織視点で考えるときは🐶のマークにしますね)←特に犬にした意味はありません。笑

 

マズローの欲求5段階説(本書P63の図を参考に作成)

 

①生理的欲求

これは人間の最も基本的なニーズ。生きていくために必要な、空気、水、睡眠、衣食住などが含まれる。

🐶社員に必要な金銭を与えているか?

🐶清浄な空気、水へのアクセス、食事や休憩のための時間や場所を与えているか?

🐶過度なストレスを与えていないか?(睡眠や食事がきちんと取れているか?)

 

②安全の欲求

安全には身体的安全(戦争、災害、暴力、疾病や傷害から守られていること)と経済的な安全がある。

🐶社外の勢力や社内の攻撃や暴力から社員を守れているか?

🐶心理的な安全を保てているか?(ハラスメントはないか?)

🐶職場環境は安全か?負傷したり疾病にかかったりする恐れはないか?

🐶会社は財政的に安全か?

 

③所属と愛の欲求

生理的、安全欲求が満たされたら、次のニーズは社会集団に所属し、自身が受け入れられていると感じること。

🐶チームワークは良いか?

🐶職場の周りにいる社員同士でうまく付き合っているか?

 

④承認(尊重)の欲求

他人から認められ、高く評価されたいという願望。

🐶社員同士でフィードバックしたり感謝し合ったりできているか?

🐶上手くできた仕事に対して上司は部下を褒めているか?

 

自己実現の欲求

1番上のニーズレベルは、自分が最大限まで成長し、最大限の可能性を発揮すること。

🐶社員の能力が発揮できる任務や機会を提供しているか?

 

つまり、社員の基本的なニーズ(生理的、安全)を満たすことは大前提として、職場の人間関係が良好になるような取り組みや、職場内で賞賛・感謝を表現する仕組みづくり、そして最終的には社員1人1人にとって自己実現できる環境を提供することが、各人のモチベーションアップにつながるということですね。

 

社員のモチベーションを上げたいなら、その人の欲求を満たしてあげる

という単純な話だとわかりました。

 

その3.キャリアラティスの考え方を取り入れる

 

そして、モチベーションがさらに強化された形が「エンゲージメント」であると捉えることができます。

具体的には、社員の職場における基本的なニーズを満たした上で、更に上層レベルのニーズを満たす機会を与えることが、社員のエンゲージメントの原動力となる。

・・・自己実現欲求を満足させることで更に刺激された社員は、目標志向のエネルギーと決意で仕事に夢中になり、やる気満々となる。

(本書P67引用)

 

このエンゲージメントを高める一つの方法として、本書P227で私が初めて知った概念が「キャリア格子(キャリアラティス)」「マス・キャリア・カスタマイゼーション」です。

 

キャリアコンサルタントとして勉強する中で一度も出てこなかった単語であり、ネットで探してもなかなか信頼性のあるリソースが見つからず、唯一見つけた都留文科大学の野畑眞理子教授の論文を読ませていただきました。

ここからは以下URLから参照した内容をまとめます。

http://trail.tsuru.ac.jp/dspace/bitstream/trair/550/3/Y015033.pdf

「ワーク・ライフ・バランスからキャリア・ライフ・フィットへ」(野畑 眞理子)

 

 

野畑教授によれば、従業員のエンゲージメントは型にはまった万人向けの動機付けで実現できるものではなく、個人化された職業体験に企業がどれだけコミットするかにかかっていると考えられています。

 

その中で必要となる考え方が「キャリアラティス」であり、「キャリアラダー」と比較して説明されています。

 



(↑若干、図がいびつな形をしているのはご愛嬌ということで・・)

 

ラダーは「はしご」として、垂直上昇を目指した直線的なキャリアパスを示しています。

一方、ラティスは「格子」を表しており、よりフラットな構造の中で多方向のキャリアが可能です。

これまでの伝統的な均一モデルが「キャリアラダー」、現代の多様なニーズに合わせたフレキシブルなモデルが「キャリアラティス」と捉えることができます。

 

さらに、アメリカの専門家、キャスリーン・ベンコとアン・ワイズバーグは、「マス・キャリア・カスタマイゼーション」を推奨しており、これが多様なキャリアパスを支援することにつながるとされています。

 

「マス・キャリア・カスタマイゼーション」はもともと「マス・プロダクト・カスタマイゼーション」をキャリアに適用したものであり、製品やサービスの柔軟性のない大量生産にオーダーメイドの要素を取り入れ、できるだけ顧客や個別のニーズに応えることができるよう多様な選択肢を提供しようとする考え方です。

 

そして、「マス・キャリア・カスタマイゼーション」では、従業員が相互に関連する4次元の選択肢から自分のキャリアの目的と生活とが最も適合するものを選択していきます。

 

「マス・キャリア・カスタマイゼーション」の4次元

①ペース

キャリア発展の速度に関する選択肢(加速ー減速)

②仕事量

仕事量に関する選択肢(フルー削減)

③場所/スケジュール

仕事をいつどこで遂行するかに関する選択肢(無制限ー制限)

④役割

職位と職責に関する選択肢(リーダーー個人貢献者)

 

企業は各4次元において選択肢を用意し、従業員はライフステージの変化によって、下記図のようにチューニングしていく。

「マス・キャリア・カスタマイゼーション」の4次元

 

これは企業がある程度の枠組みを設けることで、リーダーが部下に4次元それぞれの希望を聞いて調整したり、本人が上司に進言したりして、1人1人に合ったキャリア実現を可能にするものではないでしょうか?

 

つまり、終身雇用の保障がなくなった人々をエンゲージさせるためには、キャリアラティスの考え方に基づいて各社員が状況変化に応じたキャリアを選択できるよう企業が支援していくことが必要だと学びました。

 

また、意図していませんでしたが、その1・その2・その3それぞれのキーワードである能力開発の機会自己実現できる環境多様なキャリアの選択肢はそれぞれ関連しているかつエンプロイアビリティの向上につながり、人事としてはこの3つを提供できるよう取り組んでいくことが重要だと気付きました!

 

 

本書はロッシェルさんが期待を込めて日本の人事管理に対する批判や変わっていくべき方向性に関し、他国における優良企業のケーススタディを交えながら記述され、普遍的に参考になる考え方や取り組みがたくさん紹介されています。

特に、旧態依然な組織の状態に危機感を抱いている人にぜひお勧めしたい一冊です!

(ロッシェルさんが尻を叩いてくれるはず🐶)

 

 

今回は長文になってしまいましたが、

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

 

先日、初めて日本三大名園偕楽園に行って梅を愛でてきましたよ~!

なんと園内には100種類もの梅が3000本植えられていて、「月宮殿」「水心鏡」など美しい名前も素敵でした。

ちょうどこの日ですよ、3月なのに雪が降ったのは!

友人と一緒に「寒い~!!」と凍えながら飲んだ温かい梅昆布茶は最高でしたね♪

 

↓友人が撮った紅白の梅をおすそ分け

 

25_「儲かる人事で会社を動かせ!」

あけましておめでとうございます!

といっても、すでに年明けてから1ヶ月が経とうとしていますが・・

 

この1月はまったく雨が降らず、乾燥する日々が続いています。

昨年末はインフルエンザが大流行しましたが、直近は受験シーズンであり、電車で咳をしようものなら、なんとなくピリつく車内。

先日のニュースでは、もう花粉がそろそろ飛散しますって。

これはしばらくマスクが外せませんね。

 

 

そして・・2024年は2冊しかブログ更新できなかった・・・

ちょっと言い訳ですが、昨年はそろそろ英語にも力を入れないと、ということで初めて英語コーチングを申し込んじゃったりして、これが宿題とかあったりしてけっこう忙しくて、あっという間に時が過ぎてしまいました。。

 

英語は継続的な学習が大事!と学びましたので、

今年は英語も細々と続けつつ、本ブログは30冊達成を目標に頑張っていきたいと思います!!

 

2025年、第一冊目!

また上司からお借りした本なので早く返却しないとということで・・

(あれ、前回と全く一緒のパターン。デジャブですね。)

 

今回お借りしたきっかけとしては、

昨年、私がP&G社の開催するビジネススクールに参加する際、上司から「元P&Gの方が書いた本があるよ。これを読んでから参加しなさい。」とお渡しいただいたのです。

 

毎回スッと適切な本を出してくる上司は本当にすごい。。

私もいつか部下や同僚に「それならこの本が良いよ」とスッと差し出せるようになりたい。スッと。

 

そんな上司からの今回の"スッと本"は(造語?)、こちらです!

 

25_「P&Gで学んだ経営戦略としての「儲かる人事」」

 

著者の松井氏はP&G社の人事としてキャリアを歩まれ、今では経営(人材・組織開発)コンサルタントとして独立されているということですが、

P&Gといえば、洗剤やシャンプーなどを扱うアメリカ本社のグローバルカンパニーといったイメージですよね。

ただ、著者によれば、同社のような外資系企業において、日本法人は意外にも中小企業規模並みであると捉えています。

 

私の勤める会社もヨーロッパに本社を置くグローバル企業であり、全世界では1万人以上の従業員がいますが、日本法人は300人程度で、確かに中小企業といえそうです。

 

著者は、人材豊富な大企業だけでなく、中小企業でも優れた人事を取り入れることは可能であると考えており、本書では中小企業経営者に向けて効果的な人事の仕組みを説明されています。

 

本書P7に、「本書は論理よりも行動を重視して紹介・説明する」と記載がありますが、私は行動ベースの内容は既存知識で補える部分が多く、どちらかといえば「論理」の方に記憶したい内容が含まれていたため、そちらを重視してまとめていきたいと思います。

 

それでは、2025年も元気にいってみよぅ!

(ユーチューバー風)

 

その1.「儲かる人事」って?

 

みなさん、本書のタイトルを見たとき、「儲かる人事」ってなんだ?!って思いませんでしたか?!

 

私も多分に漏れず、「どうしたら人事職として稼げるのか?」という話かな・・😏とかゲスな想像をしていたのですが、本書を開いて早々回答がありました。

 

人事とは本来、「儲かる(会社にするための)人事」ということになります。

(本書P5引用)

 

ピーター・ドラッカーの「経営とは人を通じて成果を出す」という言葉のように、儲けの源泉はすべて「人」がつくった結果であり、著者は人事=企業経営そのものとして捉えています。

 

つまり、儲かる人事を実現する=儲かる会社を実現するということだと理解しました。

 

では、人事とは何なのか?

 

これもすぐに回答がありました。

 

人事の目的は、会社のミッションを達成するために人の意欲を高め、最も生産性高く働けるようにすることです。

(本書P4引用)

 

人事というと、採用?教育?異動?評価?給与?など思いつく方もいるかもしれませんが、それらはあくまで人事目的を達成するための手段なのです。

 

著者としては、人事は人事部の仕事というわけではなく、社長自ら、各部門のマネージャー自ら実行し、人事の目的を達成できると考えています。

だから中小企業であっても「儲かる人事」ができる!言い訳するな!ということですね。(そこまで言っていないですかね)

 

これは確かに、私の前職と現職では人事の役割範囲が多少異なると感じています。

前職では人事がやっていたようなことを現職の外資では各部門のマネージャーがやっているということもあります。

たまに現場のマネージャーから「これって人事がやる仕事じゃないの?」と聞かれますが。。

会社ごとに人事の役割や考え方は異なると思いますが、根本的には人事職がイニシアティブをとるものの、1人1人の社員に一番近い存在である各現場のマネージャーがいかに人事の取り組みを真剣に進めるかが「儲かる人事」につながるカギになるのではないでしょうか。

 

その2.人の生産性を考える

 

さて、社員の生産性を上げることが人事の主目的であると学びましたが、これまた「生産性」って抽象的な概念ですよね。

 

「生産性」は各視点や測定方法によって種類が分かれますが、今回は人事として、労働生産性を前提に考えていきます。

 

日本には生産性運動を推進している「日本生産性本部」という公益財団法人があり、(おそらく日本で一番生産性について考えている方々)その方々が考える労働生産性の式は以下の通りです。

 

 

労働者一人当たり、あるいは労働者が1時間働くことで生み出す成果を指標化したものと定義されており、労働者がどれだけ効率的に成果を生み出したかを定量的に数値化したものとなります。

 

エンゲージメントと同じく、世界の中で日本の労働生産性が低いというのは周知の事実と思いますが、なんと、2018年からさらに国際比較の順位を下げているのですよね・・

 

2023年度における調査結果

OECD加盟38ヶ国中、時間あたりの生産性は29位

一人当たりの生産性は32位・・!!

 

なぜ日本の生産性が低いのか?と疑問に思いながら日本生産性本部のレポートを読んでいたところ、面白い言葉を見つけたので紹介させてください。

 

「ボーモルのコスト病」

日本の生産性向上の重石になっているといわれる「ボーモルのコスト病」。

経済学者のボーモルさん・ボーエンさんが1960年代に見出した現象で、ベートーベンの弦楽四重奏を演奏するのに必要な音楽家の数は1800年と現在で変わっていないということを指摘しました。つまり、クラシック音楽の演奏の生産性は上昇しません。

このように、芸術や看護、教育のような労働集約型(機械や設備よりも人間による仕事量が多い)では、生産性は上がりにくいということです。

 

確かに、日本は第三次産業、いわゆるサービス業の割合が多いため、日本全体でみると生産性が上がらないということは考えられますよね。

 

これは興味深い!!

 

なんだかうまく言えませんが、人の行動と経済はつながっているのですね~

 

おいおいもっと深く調べて考察してみたいテーマですが、今回はここまでにしておいて、社内に目線を戻しましょう。

 

(気になる方は、労働生産性の国際比較 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部をご参考ください)

 

著者は、生産性を「成果÷コスト」とシンプルに表現しています。

日本企業の生産現場では、改善活動やIT導入によって製造コストを引き下げたり、付加価値創造を行ったりと、生産性向上のあらゆる努力を継続してきました。

一方、人の生産性については、コストカットばかり目が向けられ、「成果」(人のアウトプットや業績)に関しては対策されてこなかったのではないか?おぬしはやってきたのかい?というのが著者の主張です。(そこまで言っていないですかね)

 

そして、人の出力(成果)は、やる気(意欲)と能力(スキル)の掛け算であると捉え、下記図のように整理されています。

 

「人の出力(成果)の要因」(本書P33の図を参考に作成)

 

確かに、スキルはあっても意欲がなければ成果が出ず、意欲はあってもスキルが伴わなければ同じ結果となる。納得のいくシンプルな式ですね。

 

つまり、人事としては、社員の「やる気」・「能力」を引き上げるために、本人・制度・環境面など各方面からアプローチし、一人一人の成果を向上させる取り組みをしていくことが重要ですね!

 

その3.行動の原点

 

人の出力を表す方程式「やる気×能力」ですが、実はこれだけでは足りません。

 

どんなにやる気と能力があっても、

「行動」しなければ成果につながらないのです。

 

そりゃそうですよね。

 

企業の利益の源泉はすべて社外にあり、外に向かって行動しない限り、収入を得ることはできません。

この著者の言葉は至極当然でありながらも本質を突いている気がします。

 

そしてその「行動」の原点には「価値観」があり、その価値観が1人1人に共有される(ベクトルが一致する)ことで、組織の出力が最大化されるわけですね。

 

つまり、「儲かる人事」とは、人を行動させる人事施策でなければならないのです。

(本書P138引用)

 

 

ここまできて気付いてしまったのですが・・

 

 

 

人事の仕事って、人の心を動かす仕事なのかな・・

(遠い目)

 

 

ちょっと自分の言葉に酔ったところで、

最後に、「これは良い表現だな!」と思った著者の考え方を紹介して酔いつぶれたいと思います。(?)

 

新幹線には各車両にモーターが付いています。

動くのは先頭の機関車だけで、後ろの車両はすべて機関車に牽引されるタイプの列車と新幹線との違いはこの点にあります。

連結している各車両に動力があるから、常時、時速200キロを超えるようなスピードで走ることができるわけです。

つまり、強い会社とは、社長一人が強力な推進力を持っているのではなく、社員一人ひとりが自ら考え行動することができる会社ということになります。

(本書P25引用)

 

(↑可愛いイラスト見つけた)


私は一人一人のモーターを動かして、より速く、より遠くへ行けるように力を尽くしていきたいと思いました。

 

 

今回は論理にフォーカスして抽象的なまとめ方になってしまいましたが、本書の趣旨は行動を重視された内容で具体的な施策がてんこ盛りです。

中小企業経営者だけでなく、一般企業の人事担当や現場マネージャーも本書を読んでぜひ取り組めるところから実践してみてください!

あなたの行動が車両を動かすモーターになるはず!!

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

アディショナルタイム

 

みなさん、ねこおじってご存知ですか?

ねこに転生したおじさんの漫画でとっても可愛いし癒されるんです。

この前、旦那がシールを買ってきてくれて!24枚も笑

神経衰弱みたいですが、並べてみました🐱

 

 

眠れないときや疲れているときにおススメです★

ねこおじ : やじま商会 Powered by ライブドアブログ

 

24_「ダメ上司にはボスマネジメント!」

な・・なんと、前回の投稿から半年も経ってしまった・・

 

今年は35度を超える猛暑がつい最近まで続き、

「今日も暑いですね」

「ね~、いつまでこの暑さが続くんでしょうね~」

という会話を幾度となくしてきたものですが、今週になって急に涼しい風が舞い込んできました!

みなさん、ようやく秋ですね。

 

まさかの2024年はまだ今回で2冊目なのですが、、、

また上司からお借りした本なので早く返却しないと!ということで、なんとか更新したい・・とPCを開いた次第です。

 

お借りしたきっかけについてですが・・

私と同じ部署内の後輩Aさんが上司Bさんとの関係性に悩んでいた折、その上司Bさんの上司であるCさんが「この本をヒントにしてみたら」と後輩Aさんに渡していました。

後輩Aさんが読み終わった後、「あなたも読んでみなさい」と上司Cさんから私にも回ってきたわけです。

 

組織の中で仕事をする限り、上司との関係は切っても切れず、誰でも1度は悩むポイントではないでしょうか?

 

今回はちょっとポップなタイトルのこちらの本について投稿します!

 

24_「上司取扱説明書~MBA流ボスマネの極意~」

 

タイトルを見て、西野カナを思い出したのは私だけでしょうか・・笑

(これか~ら~もどうぞよろしくね~♬ byトリセツ)

 

あ、本書は2011年に初稿となっていますが、西野カナのトリセツは2015年に発売!

本書の方が先ですね😏

 

ポップなタイトルにマッチするように、本書は誰でも読みやすい構成になっており、後輩Aさんも3日で読み終わったと話していました。

 

本書のテーマはずばり「ボスマネジメント」です!

つまり、部下が上司をマネジメントすることです。

 

「え?マネジメントって、上司が部下に対してするものじゃないの?」

と思われる方も多いかもしれません。

それもそのはず、日本ではボスマネジメントについてあまり聞く機会がないですよね。

 

ただ、私が少し驚いたのは、実はこの「ボスマネジメント」は、MBA経営学修士)科目にも取り上げられるくらい、欧州のビジネスパーソンにとっては当たり前のスキル(本書P1引用)なのだそうです!

 

今後グローバル化が進むことでボスマネジメントも脚光を浴びるだろうという、当時の著者の想像に反し、日本ではまだ浸透されていない気がします。

 

日本ではやはり厳しい上下関係があり、上からの指示を下が受けるという構図が、本書の出版された2011年から10年以上経っても、あまり変わっていないのでしょうね・・

 

それでも、このボスマネジメントの考え方は日本企業に勤める誰しもが日々の仕事の中で役に立つはずです。

本書では、ボスマネジメント(略してボスマネ)をマスターするための5ステップに沿って説明されています。

 

第一ステップ:マインドセットの転換

第二ステップ:上司理解を深める

第三ステップ:自己理解を深める

第四ステップ:上司との関係構築をする

第五ステップ:上司とのコミュニケーションの極意

 

そのうち、「マインドセットの転換」「上司理解を深める」の中から、特に覚えておきたいと感じたポイントについて今回取り上げたいと思います。

 

さぁ!上司に悩めるみなさん!

一緒に学んでいきましょう!!

 

その1.理想の上司を作る

 

これは誰もがYES!と言っていただけると思いますが、

私の後輩Aさんが上司との関係を理由に退職したように、私たち組織で働く人間にとって、上司は私たちの会社生活に大きな影響を与える存在ですよね。(YES✊!)

 

前職では、1年ごとにコロコロ上司が変わっており、いろんなタイプの上司の下で働きました。

 

やたら厳しい上司

(こんなところにゴミが落ちてるぞ!と叱られた)

決断力のない上司

(どうしよっかー、といって一向に決めてくれない)

酒好きな上司

(仕事中にいないなと思ったら、二日酔いで車の中で寝ていた)

 

などなど。

 

会社や仕事内容はある程度選べますが、上司は選べませんよね。

重要な存在なのに自分では選べないのです。

であれば、ダメ上司に嘆くのではなく、上司を使いこなしていこうじゃないか!というのがボスマネを学ぶ意義です!

ボスマネは自分だけでなく上司のためにもなり、ひいては組織にも恩恵をもたらす・・

三方よしですね。

(前職の営業オジサンから教えてもらった言葉)

 

まずは、「上司に使われる」という発想から、「上司を使いこなす」へ

(本書P16引用)

ボスマネの考え方自体、マインドセットの転換ですね。

 

そしてもう1つ、私が感銘を受けた言葉があります。

 

「いったい、どうすれば私たちは理想の上司に出会うことができるでしょうか?

残念ながら、理想の上司に出会う方法はありません。なぜなら、理想の上司は出会うものではなく、作るものだからです」

(本書P58引用)

 

「作る」といっても、上司を叩いて伸ばして理想の上司に作り上げる!ということではないですよ!

理想の上司になるような環境を自ら作り出すということです!!

 

上司を叩いて伸ばそうとする部下

 

例えば、あなたの理想の上司が「自分が困っていたら、いつでもすぐに手を差し伸べてくれる上司」だとします。

しかし、今の上司は放置プレーでなかなかフォローしてくれる気配がありません。

 

「あーあ、やっぱり今の上司はダメ上司だなぁー!」

と片付けてしまったら何も状況は変わりません。

 

そこでボスマネの出番です!

 

「課長、私は今このような状況になり困っています。課長がこんなことをしてくださったら大変助かるのですが、お願いできますでしょうか?」

 

このように、自分が困っていること、上司にどんな助けを求めているのか、自ら伝えなければ上司はあなたの期待するタイミングでフォローすることは難しいでしょう。

 

つまり、上司に対して自分がしてほしいことをしっかり伝えることで、理想の上司を作っていくことができるということですね!

 

もちろん上司が思い通りに動いてくれるかはわかりませんが、口に出さずに願っているだけより、効果はありそうですね。

 

 

その2.上司が持っている働きを理解する

 

これまた誰もがYES!と言っていただけると思いますが、(言わせたい)

あなたが上司をダメだと思うのは、あなたの期待と上司の言動にズレがあるからですよね(YES✊!)

 

ただ、もしかするとその期待は、そもそも上司ができないこと、上司の弱みではありませんか?

例えば、単純な話、英語が苦手な上司に英語文書のチェックを依頼したところで、期待通りのフィードバックは得られないかもしれないですよね。

 

上司は何でもできるスーパーマンではないので、まずは上司の弱みを知ることが大事だということですね。

 

そして、私たちが上司に期待してしまうのは理由があります。

 

それは、上司には様々な"働き"があるからです。

上司には様々な働きがあるために、私たちは、実際に上司が持っていない働きまで期待してしまい、失望を味わうことになるのです。

(本書P77引用)

 

著者が仰るには、上司には最低8つの働きがあるとのことです。

この考え方は面白い!と感じたのでぜひ紹介させてください!

(以下、本書P77~86から抜粋)

 

<上司の8つの働き>

~あなたの上司はいくつの働きを持っているか考えてみましょ~

 

①グーグル機能

何か新しい情報を得たい!と思った時にインターネットで検索するのと同様、上司はこれまでの豊富な知識や経験からまさに求めていた答えを提供してくれるという機能。

 

ロールモデル

目の前の上司がまさに自分の憧れる存在であり、私もこんな上司になりたい!という見本を見せてくれる働き。(反面教師もしかり)

 

ソーシャルキャピタル

課長と一緒に客先訪問すれば、相手方も課長が応対してくれるなど、人脈やネットワークを提供する働き。

 

④トラブル・シューター

何かトラブルが発生した際、上司が出ていけば解決するといった謝罪役の働き。

 

⑤ピンチ・ヒッター

大事な商談であなたが風邪を引いたときなど、上司は唯一あなたに代わって仕事ができる存在。

 

⑥ドリームサポーター

あなたの夢の実現のため、応援してくれる働き。

 

⑦頼れる兄貴

仕事のことはもちろん、プライベートのことまで豊富な人生経験を持つ上司があなたの相談に乗ってくれるという働き。

 

⑧承認と権限

あなたの書類にハンコを押してくれる最低限の働き。

 

さて、上記8つの働きをすべて持っている上司は存在するでしょうか・・?

これはさすがにYES✊!とは言えないですよね。

 

まずは上司が持つ働き、上司が持っていない働きを理解し、持っている働きは大いに享受し、持っていない働きにはあまり期待しないようにしましょう。

 

 

私、ここまでまとめてきて気付いたことがあります。

 

 

これって、上司に限らず、家族や友人など対人関係のすべてにおいても同じことが言えないか?!

(急に大声出したみたいですみません笑)

 

自分が相手にしてほしいことは相手に言わないと伝わらない。

相手ができないことまで期待して落胆するのではなく、相手ができることに目を向ける。

 

ボスマネといいつつ、良い人間関係を築く心得を学んだような気がしました。

 

 

本書では、このあとのステップとして、自己理解(自分が上司の働きを引き出すために動いていこう!)、上司との関係構築(上司の仕事のスタイルを理解し調整していこう!)、上司とのコミュニケーション(あなたからも上司をほめたり叱ったりしよう!)というように続いていきます。

 

今回は前半の"マインド"(考え方)にフォーカスした内容をまとめましたが、後半はHow toの内容も盛り込まれています。

 

上司との関係に悩んでいる方はぜひ本書を片手に(上司の前では見せないように)、ボスマネにトライしてみてください!

 

 

今日も読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

アディショナルタイム

 

今月初旬に佐賀県に旅行してきました!

「なんで佐賀県?」「何しに行ったの?!」といった声をたくさんいただきましたが(笑)とっても良いところでしたよ~!

特に武雄神社にあった樹齢3000年!!の大楠は大迫力でエネルギーをもらいました!

写真からも伝わるかなー?

 

23_「信じて任せフォローする。世界一流リーダーシップの真髄!」

うぁー!もう2024年も、はや3ヶ月が経ってしまった・・・

絶賛、花粉飛散中ですね。

昨年末は歯の治療に2ヶ月以上かかり、その間は片方の歯で嚙み続け、やっと今年入って治った!と思ったら、新年早々に風邪を引いて、1ヶ月以上、咳が止まらず。

やっと体調が戻ってきた!と思ったら今度は花粉症との闘い。

いったい、いつになったら体調万全になれるのか・・

(おし~えて~おじいさん~♬ by アルプスの少女ハイジ

 

先日、旦那から「この本は面白いから読んでみな」と渡された本がありまして、Kindle派の彼がわざわざ紙書籍を購入するのだから、相当の学びがあり、手元に置いておきたかったのだろうと想像しました。

 

受け取ったときは、事務職の私は読み手の対象として想定されていないだろうなと思われ、特にこの人事ブログに反映させる内容ではないと思っていました。

ところがどっこい、本の帯にはなぜか経営学者の楠木健先生によるコメントがあり、「おやおや?」と首を傾げ、読んでみて納得。

人事の私としても新たな気付きが多く、これは私の記憶にも留めておきたいと感じ、ブログの1ページを刻みました。

 

今回、私自身は絶対手に取らないであろう本から思いがけず学んだ、これからの理想的な組織の在り方・働き方をまとめていきたいと思います。

 

なぜ手に取らないかといえば、タイトルを見ていただければわかるでしょう。

 

23_「世界一流エンジニア思考法」

 

そうです!

本書は米マイクロソフトで働くシニアエンジニア、牛尾剛さんによって執筆された、エンジニア向けの著書なのです!

 

著者は、米マイクロソフトにいる世界一流エンジニア(本書で言えば技術イケメン)が、どんなマインドで仕事を進めているのか、どのようなチームで、何を目指しているのかなど、ご自身の経験や実在人物のエピソードを踏まえて、大変わかりやすくまとめられています。

 

人事職を読み手の対象とした書籍では、どうしても理論やデータをふんだんに使ったストーリーが多いですが、本書はそういった内容がほとんど出てこないのも私にとって新鮮でした。

 

本書で学んだ内容+人事の専門的内容を組み合わせ、より知識を深化させていきたいと思います。

 

 

その1.「サーバントリーダーシップ」とは?

 

突然ですが、みなさんの上司はどんなタイプですか?

 

細かく指示し、進捗状況の報告、確認を求めるタイプでしょうか?

それとも、ビジョンだけ示し、あとは基本みなさんにお任せするタイプでしょうか?

 

実は、前者が「コマンドアンドコントロール」、後者が「サーバントリーダーシップ」と呼ばれるマネジメントスタイルです。

 

「コマンドアンドコントロール」と「サーバントリーダーシップ」の違い
(本書P167 図14を参考に作成)

(↑ちょっと可愛く作成できました!)

 

「コマンドアンドコントロール」:リーダーが部下に指示を出し、部下の状況を把握、確認し、管理していく。

サーバントリーダーシップ」:リーダーはビジョンとKPIは示すが、実際にどのように動くかは、チームが主体的に考えて意思決定していく。

(本書P166引用)

 

コマンドアンドコントロール、マイクロマネジメント、あるいは支配型リーダーシップとも言われるスタイルは日本企業にも一般的な概念であり、みなさんも想像つきやすいかと思いますが、サーバントリーダーシップは少しなじみのない言葉かもしれません。

 

サーバントリーダーシップサーバント(Servant)とは、「使用人」「召使い」といった意味で、組織に奉仕するリーダーということになります。

この概念は、マネジメントに関する研究者であるアメリカのロバート・グリーンリーフによって、1970年に提唱されました。

 

マイクロソフトでは、各チーム・会社全体でこのサーバントリーダーシップスタイルが浸透しているそうです。

著者の上司(ダミアンさん)もそのお手本のような存在だそうですが、著者はサーバントリーダーシップでは、メンバーを大人扱いすると捉えています。

 

確かに、右も左もわからないような状態のときは「あれをやれ」「これをするな」と指示した方がスムーズかもしれませんが(=コマンドアンドコントロール)、ずっと子ども扱いでは、いつまでたっても自分で考え行動するマインドが生まれませんね。上司の言う通りに行動するだけでは、イノベーションも生まれにくいと思います。

 

上司は黙ってメンバーを信頼し、任せてみる。何かあったらフォローする。

このスタンスが良いのですね。

 

キャリア自律に関しても同じようなことが言われており、今後は会社が一律的に社員を管理していくのではなく、一人一人が自分で自分のキャリアを主体的に歩んでいくことが大切とされています。

 

つまり、現代では、社員はもっと自由に考え行動していくと同時に自分の言動に責任を持つ。会社や上司はビジョンだけ明確に示し、あとは各個人が歩きやすいようにサポートしていく。

このような関係性が求められているのではないかと感じました。

 

会社(上司)・社員(部下)間の関係性の変化イメージ図

(↑これも可愛くできました♬あくまで私の勝手なイメージですのであしからず)

 

 

そろそろ「私もサーバントするぞ~!」と思い始める頃かと思いますので(?)

もう少し踏み込みたい方は、ぜひ以下のサイトでサーバントリーダーシップの10の属性を学んでみてください!具体的にどうしたらよいかヒントが得られると思います。

スピアーズによるサーバント・リーダーの属性 | NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会

 

 

その2.自己組織チームの導入

 

サーバントリーダーシップが浸透すると、チームが自ら考えて意思決定する「自己組織チーム」が機能します。

自己組織チームになると、どんなメリットがあるでしょうか?

本書では「自己組織チーム」の特徴を3つ挙げています。

 

<自己組織チームの3つの特徴>

1.生産性が高い

2.チームのエンゲージメント(満足度)が高い

3.よりよいソリューションが選択されやすい

(本書P171引用)

 

基本的に、リーダーがいろいろと言えば言うほどチームは指示待ちになる。

何かを決定するのに時間がかかり、指示通りの仕事はつまらない。

 

一方、チーム内の裁量で決められればスピードが上がる!

自分たちで考えて主体的に仕事をした方が楽しくなる!

技術の最先端を一番理解している現場が様々な選択をした方が質が良い!

 

良いことづくしじゃないかっ!!

 

にもかかわらず、日本ではまだまだ上意下達な仕事の進め方が主流のような気がします。

 

これに対しては持論があり、ビジネス以前に、日本の学校教育の中で自然と身についてしまう習慣なのではないでしょうか?

 

先生の言う通りに行動する一方的なコミュニケーション。

部活動では強制的に先輩をリスペクトすることが求められ、コーチの指示通り練習する。

 

この状態が社会人になっても続いているのではないかと思います。

 

そこで私の目を引いたのが、2023年甲子園の優勝校、慶応義塾高等学校の指導方針です。

 

みなさんも記憶に新しいと思いますが、「髪型自由」「長時間練習なし」など、これまでの高校野球の常識を覆す方針で脚光を浴びましたね。

 

そんな慶応高校野球部を率いたのが森林貴彦監督。

最終目標は当然「日本一」だったのですが、その先に、「日本一になることで、高校野球を変え、今まで支えてきてくれた人に恩返しする」という目的をチームみんなで決めたそうです。

 

監督は、大きなビジョンを全員で共有し、

「部員たちに任せる」「任せたからには信じる」「信じて待つ」

ということを実現されました。

 

さらに、みんな野球が好きで入部しているので、好きなことなら言われなくても自ら練習する。うまくなりたいから自ら追及する。この考え方をベースに「エンジョイ・ベイスボール」を浸透させたのです。

 

本書においても「できる人たちにのびのびとパフォーマンスを発揮してほしかったら、何よりもチームメンバーが「仕事を楽しめる」環境をつくることだ。と記されており(本書P199引用)、上司は各メンバーが楽しめるようにサポートするそうです。

 

そして慶応高校は見事日本一。高校野球の在り方を見つめ直すきっかけをつくり、最終目的も達成されたように思います。

まさに森林監督がサーバントリーダーシップを発揮され、チームメンバーを大人扱いし、自己組織チームとして目的達成された格好の事例ではないかと考えています。

 

参考:

慶応高校野球部・森林監督、甲子園を優勝したからこそ言える「高校野球の半分は嫌い」の真意 | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン

 

 

今回は本書の第5章「生産性を高めるチームビルディング」の内容を中心にまとめてしまいましたが、本書のメインテーマである「思考法」に関しても印象的な言葉や考え方が多く、エンジニアに限らず誰が読んでも自分に刺さる一文があるはずです。

 

ぜひあなたの視点で世界一流を味わってみてください。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

 

今日は久しぶりに有給を取り、一人のんびり過ごしました。

初めて行く場所の散歩は楽しいですね!

たまたま立ち寄ったカフェで美味しいランチをいただきました~♬

みなさんもたまには息抜きしてくださいね(^^)/