04_「人生で起こることの大半はモチベーションが決めている?!」

みなさんこんにちは!

 

最近少しペースをつかめてきたので、今後は1~2週間に1回、ブログ更新することを目標にしようと思います。

そうすれば、1年後には本やセミナー等による知識が約50回分アウトプットできたということになりますよね!

 

専門性を高めるにはそれだけでは全く足りないと思いますが・・

まずは1つ1つの積み重ねと継続を大事にして頑張ります!!

 

ということで、今回は第4冊目になります。

 

 

この本は、前職で受講したある研修において、チャレンジ期間中に「人事に関する本を7冊読破する!」との課題を設定し、取り組んでいた頃、読んだ本です。

 

7冊選ぶために本屋に行き、人事の本が置いてある一角で、そのとき一番高く積まれていたのがこちらの本でした。

 

04_ 「図解 モチベーション大百科」

図解 モチベーション大百科

図解 モチベーション大百科

  • 作者:池田貴将
  • 発売日: 2017/06/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

みなさんは自分や他人の「モチベーション」に興味がありますか?

本書では、モチベーションとは、「見えないところで私たちを動かしている力」と表現されています。

 

「仕事に対するモチベーションはどこからくるのか?」

「モチベーションを高めるにはどうしたらよいのか?」

「なぜモチベーションが下がってしまったのか?」

 

大学時のゼミでは、モチベーション理論を発表テーマに選ぶ人が多くてよくディスカッションした覚えがあります。

 

人事関連の方に限らず、割と多くの方に関心のあるテーマだと思うのですが、いかがでしょうか?

 

 

本書はタイトルにも書いてある通り、「モチベーション」に関するあらゆるテーマの法則を、1つ1つの実験・結果がセットになって説明されています。

 

1つの法則について、左側のページに、一流研究機関の学者が行った実験と結果、右側のページに、その詳しい説明や実際の活用方法等があるといったように非常に理解しやすい構造になっています。

 

さらに、ブックカバーの文字もキラキラしていたり、中身も、青や黄色を使ったポップな見た目で工夫されていたりと、普段、いかにも難しそうな分厚い学術書を読む際の、「よし、読むぞ。」といった気合いは一切必要なく、気軽に読むことができます。

(なるほどそれで、他のTHE専門書といった本よりも、幅広い人向けということで高く積まれていたわけですね)

 

 

今回は、本書にある100の心理・行動実験から学ぶ法則の中でも、私が特に印象に残った内容を3つ書き記したいと思います。

 

 

その1.当人比で評価する

 

まず左側のページに実験と結果が書かれています。

 

<実験>

中学生たちをA・Bの2チームに分けてテストをやってもらう。

Aチームには、「他の学生と比較して評価する」と伝えた。

Bチームには、「あなたの成績の上がり具合を基準にして評価する」と伝えた。

 

さて、どちらのチームの方が成績が伸びたと思いますか?

 

      f:id:odmik:20200519223925p:plain

    (今日はイラスト付きです!)

 

 

<結果>

テストを何度が繰り返すうちに、Bチームの方が大きく成績が伸びた。

 

つまり、

他人との比較よりも、

自分の成長度合いによって評価された方が人は努力しやすい

ということです。

 

右側のページにはさらに詳細の説明が書かれています。

 

例えば、「お客様に喜んでもらうため」「上司に安心して任せてもらうため」「社内で一番のプレゼンテーターになるため」など、客観的な理由(人からどう思われたいか)を仕事の目的にしていると、モチベーションが上がらないときがやってくるそうです。

 

なぜなら、客観的理由は自分ではコントロールできないものだからです。

いつしか「評価を落とさないレベル」で満足してしまいます。

 

一方で、「もっと良いものを作りたいから」「問題解決能力を高めたいから」「最高のサービスをしたいから」など、主体的な理由(自分がどうしたいか)を仕事の目的にすることで、比較的モチベーションを一定に保つことができます。

 

モチベーションを短期集中で上げたいときは周囲と競争するのも良いかもしれませんが、長期的には、「自分自身の進歩」を評価した方がより仕事を楽しみ、継続的に成績を伸ばしていくことができるとのことでした。

 

 

確かに、ライバルがいることで頑張れることもあるかもしれませんが、ライバルがいなくなったときにモチベーションが下がってしまいかねませんよね。

 

また、人から良い評価をされればもちろん嬉しいことですが、たとえ評価されないとしても、自分自身で自分の成長度合いを評価してあげられるように心がければ、モチベーションを保てるのではないかと思いました。

 

この法則は、まさに仕事のモチベーションを維持するために必要な考え方だと思います。会社で目標設定をする際などは特に意識したいですね。

 

 

その2.共通の目標をつくる

 

<実験>

少年たちを2チームに分け、それぞれキャンプ場で共同生活をさせる。

それぞれ自分たち以外にもう1チーム存在することを知らせずに別々に生活し、1週間後に両チームとも相手チームがいることが知らされる。

それから野球などの競技を行うと、相手チームを敵視し罵倒するようになった。

 

仲良くなるために以下2パターンを実験した。

 

Aパターン:一緒に楽しいことをする(映画を見たりおいしいものを食べたり)

Bパターン:一緒に共同作業をする(ぬかるみにはまったトラックを救出したり、飲料水のタンクを修理したり)

 

さて、どちらのパターンの方が仲良くなれたと思いますか?

 

      f:id:odmik:20200519230254p:plain

        (乱闘シーンの図)

 

<結果>

Aパターン:かえって対立が激しくなった

Bパターン:相手チームへの好意が急激に高まった

 

つまり、

一緒に楽しいことをするよりも、

協力が必要な場面を共有した方が、信頼関係が芽生えやすい

ということです!

 

これはちょっと意外ではありませんか?

 

こじれた人間関係を修復させる際に、間に第三者が入って親睦を深めさせようとすると、かえってお互いの敵対心を増幅させてしまいます。強引に歩み寄らせたことにより、性格や価値観の違いを際立たせてしまうようです。

 

ところが、困難な課題を与えたとたん敵対する両者は結束を固めます。

共通の敵(目標)ができたからですね。

 

これは日常生活でもよく見受けられますよね。

例えば、同じ男を好きになった仲の悪い2人だけども、その男が女たらしで悪い男だとわかった瞬間に、2人は急に打ち解けて仲良くなり、その男を一緒に懲らしめるという・・

(ドラマや映画の見過ぎかもしれませんが)

 

この法則を企業活動に当てはめて考えてみます。

 

 

よく聞かれるのが、現場とのコミュニケーションがうまくいっていない、風通しが悪い、部署間のつながりが希薄などといった課題ですが、これらを解決するために、BBQや飲み会、カラオケ・・と親睦を深めるイベントを安易に考えても、本当の意味では打ち解けられないかもしれないと思いました。

 

実際に、もし人事担当者としてそのような課題を解決するなら、社内で共通の目標を改めて共有・認識させるよう促したり、問題のある者同士をチームにして何か共通の課題を一緒に解決させたりなど、協力が必要な場面をあえてつくることもできるのではないか・・なんて考えました。

 

 

その3.不合理なことを選ぶ

 

<実験>

被験者たちに専用の携帯を渡し、数週間にわたって、不定期にメールを送ったり電話をかけたりして、その瞬間瞬間の幸福感を尋ねる。

 

A. 今を楽しむことによって得られる幸福感

(例えば、すごく楽しい旅行ですべて予定どおりにいった旅行から得られるもの)

 

と、

 

B. 苦しいことを経験したが、あとで考えてみると「あれをやってよかった」と感じられる満足感がもたらす幸福感

(例えば、トラブルに巻き込まれ、予定通りにいかなかった旅行から得られるもの)

 

継続的に幸福を感じられたのは、AとBどちらの幸福感だったと思いますか?

 

      f:id:odmik:20200520001011p:plain

     (飛行機を乗り過ごした図)

 

 

<結果>

Bの方が、振り返ったときに、楽しかったと継続的に幸福を感じられた

 

つまり、

穏やかに快適に暮らす幸せもあるが、あとで振り返ったときに「あのときは大変だったけど良い経験だった」と思える方が、脳はより幸福を感じるということです!!

 

これは深いい話だと思いました。

 

人は「幸福感」というものについて、自分自身をだまし、毎日安心感のある場所にいるだけで、短期的には自分は幸せだと思うことができるそうです。

 

ところが、ずっと困難や変化を避け続けていると、やがて「楽だったけど、他になにかできたのではないか?」という苦しさにじわじわと追いかけられることになります。

 

 

また、私はこの法則に納得できる経験がいくつもあります。

そのうちよく覚えているのが高校3年生の頃の話です。

 

私たちのクラスでは、合唱コンクールのピアノ伴奏者にだれも立候補しなくて、なかなか決まりませんでした。

 

私はピアノを幼稚園から中学生まで習っていたのでやろうと思えばできましたが、ハンドボール部に所属していたということもあり、部活も忙しく、さらに受験勉強もやらねばならないと思い、立候補は躊躇していました。

 

あるとき、クラス内では、今回はピアノ伴奏者がいないのだから、アカペラでできる歌にしようという意見も出てきましたが、みんなが歌いたい歌ではありませんでした。

 

そこで、せっかく最後の合唱コンクールなのだから、みんなの歌いたい歌が良いと思い、母のひと押しもあって立候補することにしたのです。

 

ピアノ練習は予想通り大変でした・・

毎日部活動から帰ると夜7時くらいで、それから練習したり、お昼休みや自習時間を使って音楽室で練習したり。

 

合唱コンクールが近づくと、音楽の授業でみんなで歌と合わせて練習しましたが、私のピアノ練習がまだ追いついていなくて伴奏がうまくできず、みんなに迷惑をかけたりと、本当に大変な思いをした覚えがあります。

 

しかし、みんなの優しさのおかげもあり、本番当日はそれなりにきちんと弾くことができて、非常に達成感を味わったのです。

(クラスとしても、確か総合3位くらいに入賞したような気がします)

 

今では、「あのときは本当に大変だったけど頑張ってよかった」と思える、自分の人生の中では良い経験として記憶に残っています。

 

また、タイに旅行したときも真っ先に今思い出すのは、キラキラしていた遺跡や大きな仏像よりも、旅行中に3回もぼったくられた経験です。(笑)

 

 

右側にあたるページには、筆者がこのような言葉を添えられています。

 

「やりたいと思うことはやろうと思えばできるうちにやるべきです。」

「迷ったときはあえて大変な方を選ぼう」

 

 

もともと挑戦意欲が高い方ではありますが、いつか振り返ったとき、自分は幸せな人生を歩んでいると思えるように、今後も努力していきたいと思います。

 

 

 

本書では、「大百科」とタイトルにある通り、モチベーションに関わる法則が辞典のようにたくさん説明されています。

 

アメとムチ。

実はムチの方が効果がある・・なんて知っていましたか?

 

人事担当者に関わらず、誰でも日常生活を豊かに過ごせる考え方やヒントを見つけられる本だと思います!

 

ぜひ一家に一冊、この大百科を置いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

アディショナルタイム

だんだん全国でも緊急事態宣言が解除され始めたものの、もう少し外出自粛ムードは続きそうですね。

 

最近は、ポテトチップスの「春ポテト(あま旨塩味)」にハマっています。

美味しいです!!ピザポテトと同じくらいハマります!!

あと、カーペットを夏らしく茣蓙(ござ)に新調しました!

やっぱりこのい草の匂いが落ち着くんですよね。

 

10万円が届くころには外に遊びに行けるといいなぁ~。

 

03_「人の行動を変えるにはどうしたらよいか?」

こんにちは。

最近、急に暑くなってきましたね!

5月はじまり早くも初夏を感じる今日この頃ですが、第3冊目の本について書いていきたいと思います。

 

今回の本は、政府からの緊急事態宣言後、いざ来週から在宅勤務になるというときに、上司から「課題図書です!」と言い渡されたものです。

(在宅だからといって決して休むわけではないのですが・・笑)

 

表紙がいかにも学術書のようで、これは読むのに時間がかかりそうだな・・と少し苦笑いしながら「ありがとうございます」と答えたのですが、その本が想像以上に面白かったのです!

 

結局、最初に感じた不安は杞憂に終わり、4~5日で読み終わってしまいました。

 

 

私が今まで知らなかった分野であり、新しい視点を身につけることができたのはこちらの本のおかげです。

(課題図書を与えてくださった上司にも感謝申し上げます)

 

03_行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論-

 

みなさんは「行動分析学」を知っていましたか?

 

私は本書に出会うまで聞いたことがありませんでした。

「行動」とは誰もが身近なテーマでありながら、普段からあまり深く考えることはないかもしれません。

 

しかし、1つ1つの行動によってその後の運命が変わるといっても過言ではないくらい、重要で意義のある研究分野だと思います。

 

 

「なぜ人はこのような行動をとるのか?」

「ある人にこの行動をさせるにはどうしたらよいのか?」

「どのように人の行動を変えられるのか?」

 ・・・なんてことを知ってみたいとは思いませんか?

 

 

本書では、行動分析学の基礎知識を単に説明するのではなく、ある架空の会社が繰り広げるストーリーを通して、非常にわかりやすく解説されています。

 

そのストーリーの中で、サカモトさんという方が登場するのですが、この方こそ私の目指したい理想像だと感じました。

HRビジネスパートナーとして、人や組織に関連する会社の問題や現場からの相談に対し、行動分析学を応用させて次々と解決していくスーパーマンです!

 

 

 

今回はそのサカモトさんから学んだ行動分析学の中でも、今後、私が特に覚えておきたい・応用していきたい内容を書いていきます。

 

 

 その1.行動の随伴性を考えよ!

 

みなさん!突然ですが、

「意見を言わない」原因は何だと考えられますか?

 

 

「やる気がないから」「恥ずかしいから」「意見が思いつかないから」・・・

周囲に当てはまる人がいればいろいろと思いつくかもしれません。

 

多くの人は、やる気、能力、意識など、心の中に行動の原因があると考えます。

この考え方は医学モデルと呼ばれています。

 

しかし、医学モデルを使った行動分析をすると、行動の本当の理由を見つけにくく、問題解決につながらないといった弊害が起きてしまいます。

 

そこで、問題となる行動を改善するためには、行動分析学での考え方が必要になるというわけです。

 

 

まず、行動分析学を理解するにあたって、一番重要な原理があります。

 

行動随伴性行動と行動直後の状況の変化との関係で、行動の原因を解明し、行動を改善するための枠組み (p.32 引用)

 

つまり、行動分析学においては行動は、行動直後の状況変化によって変わる「行動の真の原因は行動の直後にある」という根本原理に基づいて行動を分析し、改善していきます。

(行動直後とは、60秒以内とされています。それ以降は効果が薄くなる。)

 

 

それでは実際に行動分析学を応用してどのように行動を分析し、改善させていくのかというと、下記図(ダイアグラム)を作成して考えていきます。

 

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行動の随伴性を分析するツール「随伴性ダイアグラム」



<ダイアグラムを書く手順 >

①誰のどの行動を分析するかを決め、対象となる行動を真ん中に書く

②行動の直後(60秒以内)に起きたことを「直後」に書く。

③行動の直前に起きていることを「直前」に書く。(直前直後は対称的に書く)

④ある行動が直後に起きた状況変化によって「強化」されたか「弱化」されたかを矢印で示す

 

※「強化」・「弱化」の定義

「強化」:行動の回数や強度が増えること。または、増やす操作(p.33 引用)

「弱化」:行動の回数や強度が減ること。または、減らす操作(p.36 引用)

 

先ほどの例を使って考えてみましょう。

もし、ある人が意見を言った直後、誰かが批判する(欠点を指摘する)という状況変化があったとすると、下記図のように表すことができます。

(本書中には載っていない例ですが、わかりやすいように応用して書いてみます)

 

f:id:odmik:20200507201617p:plain


つまり、直後に起きた「周囲が批判する」というできごとにより、「意見を言う」という行動が弱化していることが示されています。

 

今回の例では「周囲が批判する」というできごとのように、ある行動を減らす刺激やできごとのことを「嫌子」といい、またその逆を「好子」といいます。

 

※「好子」・「嫌子」の定義

「好子」:行動の直後に出現すると行動を増やす刺激やできごと(p.34 引用)

嫌子」:行動の直後に出現すると行動を減らす刺激やできごと(p.51 引用)

 

したがって、「意見を言わない」原因を行動分析学的に言えば、嫌子の出現により行動が弱化している(嫌子出現の弱化)と分析することができます。(説明は後述します)

 

 

次に、どのように行動を変化させるかという改善策を考えるにあたり、四つの基本随伴性という定式があります。

この考え方をマスターすれば、相手・自分の行動のほとんどの原因が理解できるとされています。

 

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四つの基本随伴性(p.55 表2-1 引用)

上記のようなマトリクスを1つ1つ説明すると以下のようになります。

 

①「好子出現の強化」:行動の直後に好子が出現すると行動は増加する

②「好子消失の弱化」:行動の直後に好子が消失すると行動は減少する

③「嫌子出現の弱化」:行動の直後に嫌子が出現すると行動は減少する

④「嫌子消失の強化」:行動の直後に嫌子が消失すると行動は増加する

 

この基本随伴性を理解した上で、まず行動の原因を分析するためにダイアグラムを書き、上記①~④のうち、どの随伴性で行動が制御されているのか判断することで、同時に改善方法も見えてきます。

 

 

今回の例に戻って改善策を考えると、上記①・④を応用することで、「意見を言う」という行動を増やすことができます。

 

①「好子出現の強化」・・・ex. 意見を言った直後、褒める、笑顔でうなづく

④「嫌子消失の強化」・・・ex. 意見を言った直後、批判をしない

 

逆に、意見を言うという行動を減らしたいならば、上記②・③を応用することで実現させることができると考えられます。

 

このように、行動を変えるには随伴性を変えればよいということです

 

 

 

 

私はこの考え方に則り、目下の問題となっている、外出自粛という行動を増やすにはどうしたらよいか考えてみました。

 

まず、外出自粛をしないという問題を下記のダイアグラムにて表します。

 

f:id:odmik:20200507201919p:plain


つまり、外出自粛をすることでストレスが溜まるという嫌子が出現し、外出自粛という行動が減少している状況です。

 

そこで、下記の改善策を提案します!

 

「好子出現の強化」・・・ex. 外出を自粛した際、国から割引券がもらえる

 (例えば、3日間連続でスマホの位置情報が住居場所にあった際、緊急事態宣言解消後に利用できるレストラン割引券がもらえるなど)

 

嫌子消失の強化」・・・ex. 家でできるストレス発散法を促進する

 (例えば、家の中や家の前の狭いスペースでも可能な運動法を伝授するなど)

 → これはすでに運動に限らずあらゆる方法が紹介されていますよね。

 

 

ちなみに、外出という行動を減らすといった逆のアプローチも試みましたが、好子消失や嫌子出現を考えるとかなりネガティブな話になるのでやめました・・

(外出によってストレスを発散させないようにする、罰金を科す、など)

 

 

いずれにしても、ある行動・その直後の変化を基本随伴性に当てはめると、行動の原因や改善方法が明確になりやすいということがわかりました!

 

 

その2.シェイピングを用いて成長を加速せよ!

 

本書中の架空のストーリーでは、ある営業の新人君を早く即戦力として育てたいといった現場の相談に対し、サカモトさんがシェイピングと呼ばれる方法で解決しています。

 

シェイピングとは、形をつくるという意味で、これまで身についていない行動の形を作り上げる方法とされています。

 

つまり、シェイピングを用いることで、新しいスキルを獲得させ、人の成長を加速させることができます!

 

具体的な手順は以下の通りです。

 

<シェイピングの手順>

1)最終目標となる目標行動を決める

2)最終目標に至るまでのプロセスを書き出す

3)プロセスのうち、今現在自分ができる行動の中から出発点の行動を選ぶ

4)出発点の行動を十分に強化する

5)出発点の行動ができたら好子を与える

6)出発点の行動が十分にできるようになったら次の段階の行動を強化する

7)今現在の課題行動ができたら次の段階へと徐々にハードルを上げていき、最終目標を達成できるまで続ける

 

わかりやすくするため、営業の新人君に置き換えて下記のように図示化してみました。

 

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(「万歳」と入力すると「🙌」と出力されることを初めて知りました)

 

実際はもっとプロセスを細分化し、1つ1つのハードルの差を縮めることで、達成する頻度や好子の数が増え、挫折せずに取り組むことができるそうです。

 

さらに、この方法は新人の育成場面だけでなく、自己学習等にも転用することができます!

 

そこで!

 

私は将来、海外各国の方と英語で人事についてディスカッションできるようになりたいと思っていますので、「伝えたいことを英語で即座に表現できるようになる!」ということを最終目標にしてシェイピングを活用してみようと思います。

 

<最終目標に至るまでのプロセス>

①語彙や表現のストックを増やす(=出発点)

 ex.  海外ドラマを見たり英語の雑誌を読んだりして、使えそうな単語や表現をまとめる

②調べながら英語でアウトプットする

 ex. 日記を英語で書く、日本語の雑誌などを英訳する

③目に見えるものの描写や事実説明をする

 ex. TOEIC SW問題を解く、普段から目に見える景色を英語で描写する

④実際にコミュニケーションを取る

 ex. オンライン英会話で①~③で学んだことを実践する

⑤業務上で伝えたいことを英語で即座に表現する(=最終目標)

 ex. 積極的に英語を活用する仕事に挑戦する

 

<好子>

①~⑤までそれぞれ数値目標を掲げ、達成するごとに旅行の計画を立てる!

 

 

よし、書いただけでモチベーションが上がりました!!

シェイプという名の通り、形だけで満足して終わらないように、明日から頑張りたいと思います!!

 

 

本書では、他にも、行動の先行刺激について(行動の原因が行動に先立つ刺激やできごとにあるとする考え方)や、ある行動を適切なタイミングで引き起こす方法(プロンプトという)、好子・嫌子の効力を変える方法(確立操作という)など、普段の行動を分析・改善する方法がたくさん解説されています。

 

行動分析学はビジネス上だけでなく、教育やスポーツ、地域社会における省エネやリサイクルの促進、健康、医学、動物のしつけ、などなど守備範囲が広いです!!

 

妻(夫)や上司(部下)に、

ある行動をしてほしい(やめてほしい)と思っている方、

組織全体のパフォーマンスを高めたいと思っている方、

自分の行動を改善したいと思っている方、

ぜひ本書を読んで行動分析学を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

ちなみに、ステイホーム期間の暇つぶしに買ったジグソーパズルですが、もう完成してしまいました・・

 

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マイクロピース1000ピースでとても細かく、肩が凝ってしまいましたが、やっぱりハマった時の達成感が醍醐味ですよね。

 

緊急事態宣言期間も1ヶ月延長されたことですし、次は何か面白い海外ドラマを発掘したいと思います。

 

02_「ドイツ人から学ぶべき生産性を高める大事な考え方とは?」

 

お疲れ様です。

1冊のままでなかなか更新されないと、3日坊主と思われかねないので早めに2冊目をと思い、ど平日の夜から書き始めています。

 

2冊目に選んだ本は、今から2~3年ほど前に、「働き方改革」という言葉が浸透し、各社がその定義を模索し奮闘している中、私も自分の働き方を見つめ直そうとしたときに読んだものです。

 

なぜそんな前に読んだ本の内容を今さら書きたいかというと、その本は私にとって、働く上で大事な考え方を教えてくれて、常にその考え方を意識することになったからです。

 

 

たまたま見つけて読んだにも関わらず、私の考えに大きな影響を与えたのがこちらの本でした。

 

02_仕事の「生産性」はドイツ人に学べ

 

(2冊目にして、早速この本は「人事」とは直接関係ない内容と思われたかもしれませんが、あしからず。)

 

本書では、ドイツに長く働いていて、日独産業協会の特別顧問である著者が、ご自身の経験から学んだドイツ人の特徴を、まるで講話のように語られています。

ですから、とてもわかりやすく、誰でも講話を聴くような感じで気軽に学ぶことができると思います。

 

 

この本を読むまであまり意識していなかったのですが、ドイツと日本は似ている国なのですね。

国土面積はほぼ同じ、GDPも日本3位、ドイツ4位と順位が近いです。

(2020.1現在)

 

また、歴史的な背景からみても、お互い第2次世界大戦の敗戦国であり、工業立国として発展してきたことで、ものづくりが得意なわけです。

 

前職でもドイツメーカーに競合がいるとよく聞いていました。

 

 

しかし!!!

 

 

なんと、ドイツは日本の1.5倍の生産性があるのです!!

 

しかも!ドイツ人の方が労働時間が短く、よく休んでいる!!!

 

そんな馬鹿な!という方のために、最新データをまとめてみました。

 

  ドイツ 日本
1人当たり平均年間総実労働時間 1363時間 1680時間
年間休日数 141日 138.2日
有給休暇取得率 100% 50%
1時間当たり労働生産性 72.9ドル 46.8ドル

 参照: 「データブック国際労働比較2019」

    「労働生産性の国際比較2019」

    「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018」

 

 

なぜ、この差が生まれるのか気になりませんか?

 

本書において、ドイツと日本では、働くことに対する考え方や生活の姿勢に大きな違いがあると説かれています。

 

今回はその違いの中でも、私がハッとさせられた内容をお伝えしたいと思います。

 

その1.お客様は神様ではない!

 

まず、ドイツと日本は、国民の捉え方が異なるようです。

 

ドイツ:国民を労働者として捉え、労働者の権利を重視

日本 :国民を消費者として捉え、消費者の権利を重視

 

ドイツでは労働者のために、休日を充実させたり、働く時間も厳格に管理したりして、働きやすい環境を整えてきました。

(なんと、日曜と祝日は営業してはいけないという法律があります!!)

 

一方で、日本では消費者(=神様)のために、便利な環境を作り上げてきました。

 

お店は土日も休まず営業し、ネット注文した商品は次の日には届く。

このようなサービスが当たり前になってしまい、労働時間の超過や労働者のストレスにつながっている可能性があります。

 

確かに私も、海外では、お客様は神様ではないと感じた経験があります。

 

 

余談にはなりますが、私は海外旅行が好きで、これまで10か国以上旅行しています。

 

昨年は、バルト三国に行きました。(三か国言える方はなかなかいません)

 

街全体が世界遺産に登録されているほど、街並みはおとぎ話に出てきそうな可愛さがあったのですが、ホテルはいまひとつでした・・

 

あるホテルでは、ドアのロックが壊れていたので、フロントに連絡しました。

すぐに修理にいくよ!と言われたので待っていました。

 

それから5分10分経過してもなかなか誰も来てくれません。

 

すぐに出かけたかったので早く修理してもらいたく、今度はフロントデスクまで行き、さっき連絡したけどまだ誰も来ていないよ!と伝えると、もうちょっと待っててと言われました。

 

しぶしぶ部屋に戻ったら、やっと恰幅の良いおじいちゃんがのっそり来てくれました。

 

(この時点で、特にお待たせしたお詫びの一言は一切なし。)

 

しかも、なんかネジとか回したりして直すのかと思いきや、ドアを力づくでバシッと開け閉めし始めた!!!

 

「ほら、直してやったぜ!」みたいな感じで得意げに言われてしまい、こちらもなぜか「センキュー!センキュー!!」と日本人得意の笑顔で返してしまったが、後から考えるとなんかおかしい・・・

 

そもそも待たせているのにお詫びがない、そもそもドアが壊れていて(立て付けが悪いだけだったみたいだけど)ホテルの設備管理が悪いのに、特にお詫びがない

むしろこっちがお礼してしまうのもおかしい・・・

 

日本だったらありえないですよね。

お客様は神様だもの!

ドアが壊れていたらまずすぐに駆け付け、遅れたとしても「お待たせして申し訳ございません」の一言があるはず。修理したら「ご不便おかけして申し訳ございませんでした」となるはず!!

(もっと言ったら部屋を交換してもらえる可能性だってあるはず!)

 

 

この経験を通して、やっぱりお客様は神様ではなく、一人の人間であり、あくまで対等な関係なんだと改めて思いました。

(日本だったらいろいろおかしいと思いましたが、特に気にはしていません。)

 

 

でもだからといって、生産性向上のために、日本でもお客様は神様として扱わず、質の高いサービスはやめましょうというわけではなく、そのスタイルや価値観を変える必要はないと私は思います。

 

なぜなら、それが日本人らしく、日本の良さだと感じるからです。

 

確かに、日本人の持っている、和を重んじるきめ細かい気遣いは、ときに生産性を低くしている要因の1つかもしれないと思うことはあります。

(あえて手書きや手作りで渡したり、説明資料やアナウンスが多かったり・・)

 

ただ、その気遣いが多くの日本人にとっては心地よく、海外からも賞賛されている日本のアイデンティティではないかと考えています。

 

日本のアイデンティティは失いたくないけど、ドイツ人の考え方を取り入れることで生産性は高まるかもしれない・・・

 

そこで!私が得られた新たな考え方は、

労働者の立場では「お客様は神様」として捉えるとしても、消費者自身は「自分は神様ではない」という意識を持つことが大事ということです。

 

消費者側から過剰なサービスを期待してしまうと、労働者にとってストレスになり、生産性が低くなる可能性があります。

 

そう思ってから、私は仕事をする上で、自分が提供側のときは丁寧な対応を心がけますが、自分が受取り側のときは、相手に対して必要以上に期待しないようにしています。

 

100点を求めるのではなく、60点70点できていれば、まぁいいか!と余裕を持てるようにしたいと常に考えています。

 

(それが育成の場面や多額の費用を払っている場合などは期待値が上がってしまい、許容が難しいこともあるのですが・・)

 

 

そうすることで、相手に過度なプレッシャーを与えずに済み、余計なことを考えさせずに済み、ミスも減るかもしれない。

 

結果的に生産性が上がることもあるのでは?と、期待しています。

 

 

その2.コミュニケーションは質より量!

 

ドイツと日本ではコミュニケーションの取り方も違います。

 

これはよく議論されますが、日本人は以心伝心・暗黙の了解・空気を読むといったように、言葉以外のコミュニケーションを大事にする傾向がありますよね。

 

おそらく、これも日本人の和を大事にする価値観から、相手を傷つけないようにはっきりと物事を言わないようにしているのだろうと思います。

 

ですが、それが生産性を低下させる原因の1つではないかということです。

 

確かに、信頼関係がしっかり構築されていれば、相手が何を言わんとしているかわかるようになってきますが、やはり仕事上では明確に伝えた方がミスコミュニケーションは減るかと思います。

 

 

一方、ドイツ人はとにかく頻繁にコミュニケーションを取り、細かい部分まできちんとわかるまで説明するようです。

気になることがあれば、はっきり「わからない」と言い、教えてもらう。そうして相手が納得することで生産性が上がります。

(ドイツだけに限らず、海外の多くの国ではそのようですね)

 

 

さらに、普段のあいさつや日常会話を大切にしているそうです。

頻繁にあいさつや会話をすることでお互い親近感を抱くようになり、いざという時に躊躇なく相手を頼ることができます。

 

また、単純に、お互いにいろんな情報交換をすることで、自然と知識が増えて仕事も進めやすくなりますよね。顔見知りが増えることで相談できる人の幅も広がります!!

 

これは意識すれば簡単にできます!

 

私は本書にあった、「コミュニケーションは質より量が大事である」という言葉に触発され、前職の会社でとにかくひたすらいろんな人に声をかけている時期がありました。

 

エレベーターで一緒になった初めて会った人にも、食堂で並んでいるとき前にいた知らない人にも、バス停で待っているときにいた話したことない人にも。

 

気付いたら、退職メールの宛先が500名以上になっていました。

(前職で使っていたメールのシステムは全社員一斉送信できないため、顔見知りで話したことがある人を1人1人選んで送りました。)

 

転職後はまだ緊張していてなかなか実行できていないのですが・・・

 

とにかくドイツ人に倣ってコミュニケーションの量を意識し、少しずつ自分で仕事のしやすい環境を作り上げていきたいと思います。

 

 

 

本書では、他にも生産性を高めるためのヒントがたくさん書かれています。

 

効率的なスキルを学ぶというよりは、ドイツ人の考え方や文化を学ぶ本だと思います。

 

新型コロナウィルスによって今後の働き方が大きく変わっていくかもしれません。

ぜひこの機会に自分の働き方を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

アディショナルタイム

そういえばこの前、流行りに乗って、大学のときの友達3人とZOOM飲み会をしました★

居酒屋飲み会と違って、部屋にあるものを見せ合いっこできたりして楽しかったです!

医療従事者に感謝しつつ、家でできる楽しいことを見つけたいですね。

(今週末はAmazonで買ったジグソーパズルをやるのがひそかに楽しみです)

 

 

01_「研修の効果ってどうやって高めるの?」

 

みなさま、お疲れ様です。

 

早速、記念すべき第一冊目についてですが、その本は私が前職で社員教育を担当しているとき、ある悩んでいたことを解決してくれました。

 

その悩みとは、

「研修の効果ってどうやって高めるの?」

ということです。

 

きっと教育担当者なら誰もが課題に感じているはず・・・!

 

私の場合、なぜ悩んでいたかというと、まず、研修に対してネガティブな社員が多くいたからです。

 

例えば、研修当日の朝、かなり眠そうに会場に入ってくる人がいたり、研修より業務を優先させたいと部下の出席をキャンセルする上司がいたり、研修なんてやったって意味ない!と言い切る人だっていました。

 

また、会社の利益を直接的に創出できない部門であるということに対し、引け目を感じてしまっている自分もいて、とても悔しい思いをしていました。

 

そこで、なんとか、研修の効果を高めて会社の利益に貢献したい!!

 

そう思って、本屋で手に取った本がこちらでした。

 

01_研修開発入門「研修転移」の理論と実践

研修開発入門 「研修転移」の理論と実践

研修開発入門 「研修転移」の理論と実践

 

 

最初に言いますが、企業の教育担当者なら絶対に読むべき本です。

本書では、理論だけでなく、実践事例が多く用いられていますので、すぐに実践に移すことができます!

私も実際に本書で学んだことをWord1枚にまとめ、課内で共有することで実践していきました!!(詳細は後程・・・)

 

まずタイトルの中の「研修転移」という言葉が聞き慣れないと思いますが、みなさん、研修は何のために実施するのでしょうか?

 

教育担当者ではない方には想像つかないかもしれませんが、研修には多額の費用がかかっています。

 

例えば、企業内で外部講師に依頼し、1日の研修で20名程度の集合研修を行うとすると、平均して約30万~50万円かかります。

2日間の研修だと100万円ほどになることもあります。

(外部講師や教育業者によって差はありますが)

 

こんな費用をかけて、さらに、みなさん業務の忙しい中、時間をかけて、なぜ研修を行うのでしょう?

 

 

企業研修においては、この「研修転移」という言葉こそ、研修の目的そのものを表していると思います。

 

「研修転移」:研修で学んだことが現場で実践される、成果が生み出されること

                         (p.1 引用)

 

そうです!研修をなぜ行うのかというと、学んだことを職場で実践し、成果を生み出すために行うのです!

 

ですから、研修で学んだことを活かさないと、成果を生み出さないと、せっかく費用や時間をかけて研修をしても、全く意味がなくなってしまいます。

 

そこで、本書では、どうやったら研修転移を促せるのか(=どうやって学んだことを現場で実践しやすくするのか)ということに焦点を当てています。

 

研修転移を促す方法についてはたくさんヒントが書かれているのですが、その中でも私が特に納得したこと、実際に実践したことを記録したいと思います。

 

その1.受講者の上司を巻き込め!!

 

どんなに研修が優れていても、上司が否定的だったり非協力的な職場では転移がなされないとされています。

 

こちらの表では、「研修前」の「上司」が1番受講者の研修転移に影響を与えるということを示しています。

 

◇ 転移促進策の影響度 ※影響度の高いものから1位~9位

役割者/時間

 研修前

 研修中

 研修後

 上司

  1

  8

  3

 講師  

  2

  4

  9

 受講者

  7

  5

  6

                       (p.40 図1-9 一部抜粋)

 

つまり、研修前に上司から受講者へ働きかけがあることで転移が促進されるということです。

 

具体的には、受講者に対し、上司自身がそのことに関心を持っていることを示すことや、参加目的を伝えたり、受講者自身に聞いて考えさせたりすることが重要です。

 

また、こちらの表は面白いと思いました。

あなたの上司はレベルいくつでしょうか?

 

◇ 上司の雰囲気の5段階

 レベル

  5段階

  特徴

 1

抑止的

学んだことの活用を上司が禁止している

 2

やる気をそぐ

やってはいけないと直接的には言わないが、

上司が快く思っていないことは確実に伝えられている

 3

中立的

・研修を受けてきたという事実を上司が無視している

・職務が今まで通りに完了するのであれば何も言わない

 4

奨励的

学んだ成果を職務に活用することを奨励している

 5

要求的

部下が何を学んできたかを上司は把握していて、

それを確実に仕事に転用させたいと思っている

 (p.45 図1-10 一部抜粋)

 

「中立的」が一般的のようです。(いつからいなくなるの?と自分の部署の仕事が回らないことを心配したり、まったく無関心な上司)

なかなかいないかもしれませんが、奨励的・要求的な上司が理想的です。

 

教育担当者としては、上司へ研修設計段階からニーズ分析に参加させたり、研修概要を説明したりし、上司が「要求的」になるよう、働きかけることが重要となります。

 

<上司を研修に巻き込むために私が実践したこと>

本書で学んだことを実践すべく、まず、新しい研修を企画した際には、受講者の上司に説明する用に4枚のパワーポイントを作成しました。

 

1枚目:研修の背景、目的

2枚目:研修の内容やスケジュール

3枚目:上司の重要性(この研修を成功させるには上司が重要だ!ということ)

4枚目:上司が部下にできること(研修前は動機付け、業務の配慮をするなど、なるべく具体的な例を明示)

 

こちらを作成すると、私の上司は丁寧な方でしたので、最初は受講者の上司のもとへ向かい、この資料を使って直接説明していただきました。

すると説明された上司は「難しいなぁ、でもやってみるよ」と前向きな反応があったようです。

おそらく、上司の意識が変わったことでしょう。

 

その2.行動変化に対する評価を頻繁に実施せよ!!

 

よく研修の効果測定として用いられるのが、カークパトリックによって主張されたこちらの「研修評価の4段階モデル」です。

◇ 研修評価の4レベル評価モデル(効果測定方法)

レベル

内容

項目

手法

時期

反応

研修に対する印象

満足度

有用度

自己効力感

アンケート

(本人)

研修直後

学習

知識・技術の獲得

学習内容

獲得度

テスト

ロールプレイ評価

研修前・研修後

・研修中

行動

学習内容の転移・職場での行動変化

活用度

アンケート

(本人・他者)

インタビュー

行動観察

研修数か月後

成果

ビジネス上の影響

売上・利益

従業員満足

退職率

実験群と統制群の比較・成果につながる要素の分析

研修数か月後

(p.25 図1-5 一部抜粋)

 

最も企業で多く使用されているのは、研修後のアンケートで研修の満足度等を測るレベル1(反応)や、知識や技術が習得されているかどうか測るレベル2(学習)であると思います。

 

ただ、レベル3(行動)を測ることが理想的だと言われています。

(レベル4は現実的に測ることが難しいため)

 

さらに、「レベル3:行動」段階での評価を、研修後に受講者に頻繁に行うことで現場での転移が増すとされているのです!

 

具体的には、受講者に対し、受講後に「行動変化の度合い」についてアンケートを取ったり、リマインドをかけたりすることが、現場での実践を促します。

 

<行動変化を促すために私が実践したこと>

まず、研修後に、受講者に記入してもらうエクセルシートを作成し、人事に提出してもらいました。

◇ エクセルシートの内容

① 研修で学んだことを活かして職場で何を実践するか、具体的な行動目標を3つ記入してもらう(上司・職場の同僚に共有)

② ①で記入した行動目標が1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、それぞれ振り返って、反省点を記入してもらう(毎回、人事に提出)

③ 3ヶ月後、研修の目的が達成できたか、行動が変化したかどうかなど、自分・上司・職場の同僚にそれぞれ評価を記入してもらう(各5点満点)

 

さらに、課内の方のアイディアで、研修の3ヶ月後、成果発表会を実施しました。研修受講者全員を集め、1人1人、行動目標に対してどのように行動し、どんな成果があったのか発表してもらい、それに対して人事がそれぞれコメントを伝えていきました。

 

このように研修のフォローアップをしっかりと(しつこく?)行ったことで、アンケートでは多くの方から、実際に職場で行動を変化することができたと答えていただきました。

 

こうして、本書の内容を実践したことで研修の効果を高めることができました。さらに、教育担当者としての自信が少しついたことが、私にとって何よりも貴重な成果だったと思います。

 

本書の帯に書いてある投げかけ「御社の研修はやりっぱなしになっていませんか?」という言葉にドキッとされた教育担当者の方はぜひ詳しい内容を読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

思っていたよりも、1つの記事を書くにも時間がかかりますね。

 

長文になってしまい、読みづらくないか心配ですが、何かご意見やご感想があればお知らせいただけますと大変嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

アディショナルタイム

(今後、アディショナルタイムでは、人事とは全く関係のない他愛のない話ができたらいいな~と思います。ブログっぽく。)

 

ところで、在宅ワークや外出自粛はいつまで続くんでしょうね。

週1回のスーパーへの買い物だけでも楽しみたいと思います。

 

初めまして!

こんにちは。

初めてブログを開設しました!

 

この場では主に「人事」に関する本やセミナー等について、私が学んだことを記録し、自分なりの考察を書いていきます。

 

なかなか一度読んだ本の内容を覚えていることができないため、後から振り返って再考することのできるツールとしてこのブログを活用し、かつ、このブログを読んだ方にも何か働く上でのヒントを掴んで一歩踏み出していただけたらという想いで続けていきたいです。

 

よろしくお願いします。

 

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★自己紹介★

大学生の頃から人事に対する関心が高く、人的資源管理論を学ぶゼミに入り、ダイバシティマネジメントやインクルージョンについての卒論研究を行う。

 

大学卒業後、ある産業機械メーカーで約7年間、総務や人事として勤務。人事の中でも、主に採用・教育を担当していたが、より幅広い人事業務に挑戦してみたくなり、転職を決意。

 

現職は自動車に関わる外資メーカーで、採用、研修、雇用管理、労務対応等を担当。

 

将来的には、人事の専門性を高め、組織の利益に貢献し、広く発信できるようになりたいと思い、日々勉強中。

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新卒入社した会社で、「人事は利益を生み出さない間接部門だ」と言われ、非常に悔しい思いをしました。

 

それ以降、「利益を生み出す人事」を追い求めております。どんな人事の取り組みによって、社員のパフォーマンスが向上し、会社の利益を増大させることができるのか、という命題の解を出すため、あらゆる観点から学んでいきたいです。

 

これからどうぞよろしくお願いいたします。

皆さま、コロナ感染には十分気を付けてご自愛くださいませ。