02_「ドイツ人から学ぶべき生産性を高める大事な考え方とは?」

 

お疲れ様です。

1冊のままでなかなか更新されないと、3日坊主と思われかねないので早めに2冊目をと思い、ど平日の夜から書き始めています。

 

2冊目に選んだ本は、今から2~3年ほど前に、「働き方改革」という言葉が浸透し、各社がその定義を模索し奮闘している中、私も自分の働き方を見つめ直そうとしたときに読んだものです。

 

なぜそんな前に読んだ本の内容を今さら書きたいかというと、その本は私にとって、働く上で大事な考え方を教えてくれて、常にその考え方を意識することになったからです。

 

 

たまたま見つけて読んだにも関わらず、私の考えに大きな影響を与えたのがこちらの本でした。

 

02_仕事の「生産性」はドイツ人に学べ

 

(2冊目にして、早速この本は「人事」とは直接関係ない内容と思われたかもしれませんが、あしからず。)

 

本書では、ドイツに長く働いていて、日独産業協会の特別顧問である著者が、ご自身の経験から学んだドイツ人の特徴を、まるで講話のように語られています。

ですから、とてもわかりやすく、誰でも講話を聴くような感じで気軽に学ぶことができると思います。

 

 

この本を読むまであまり意識していなかったのですが、ドイツと日本は似ている国なのですね。

国土面積はほぼ同じ、GDPも日本3位、ドイツ4位と順位が近いです。

(2020.1現在)

 

また、歴史的な背景からみても、お互い第2次世界大戦の敗戦国であり、工業立国として発展してきたことで、ものづくりが得意なわけです。

 

前職でもドイツメーカーに競合がいるとよく聞いていました。

 

 

しかし!!!

 

 

なんと、ドイツは日本の1.5倍の生産性があるのです!!

 

しかも!ドイツ人の方が労働時間が短く、よく休んでいる!!!

 

そんな馬鹿な!という方のために、最新データをまとめてみました。

 

  ドイツ 日本
1人当たり平均年間総実労働時間 1363時間 1680時間
年間休日数 141日 138.2日
有給休暇取得率 100% 50%
1時間当たり労働生産性 72.9ドル 46.8ドル

 参照: 「データブック国際労働比較2019」

    「労働生産性の国際比較2019」

    「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018」

 

 

なぜ、この差が生まれるのか気になりませんか?

 

本書において、ドイツと日本では、働くことに対する考え方や生活の姿勢に大きな違いがあると説かれています。

 

今回はその違いの中でも、私がハッとさせられた内容をお伝えしたいと思います。

 

その1.お客様は神様ではない!

 

まず、ドイツと日本は、国民の捉え方が異なるようです。

 

ドイツ:国民を労働者として捉え、労働者の権利を重視

日本 :国民を消費者として捉え、消費者の権利を重視

 

ドイツでは労働者のために、休日を充実させたり、働く時間も厳格に管理したりして、働きやすい環境を整えてきました。

(なんと、日曜と祝日は営業してはいけないという法律があります!!)

 

一方で、日本では消費者(=神様)のために、便利な環境を作り上げてきました。

 

お店は土日も休まず営業し、ネット注文した商品は次の日には届く。

このようなサービスが当たり前になってしまい、労働時間の超過や労働者のストレスにつながっている可能性があります。

 

確かに私も、海外では、お客様は神様ではないと感じた経験があります。

 

 

余談にはなりますが、私は海外旅行が好きで、これまで10か国以上旅行しています。

 

昨年は、バルト三国に行きました。(三か国言える方はなかなかいません)

 

街全体が世界遺産に登録されているほど、街並みはおとぎ話に出てきそうな可愛さがあったのですが、ホテルはいまひとつでした・・

 

あるホテルでは、ドアのロックが壊れていたので、フロントに連絡しました。

すぐに修理にいくよ!と言われたので待っていました。

 

それから5分10分経過してもなかなか誰も来てくれません。

 

すぐに出かけたかったので早く修理してもらいたく、今度はフロントデスクまで行き、さっき連絡したけどまだ誰も来ていないよ!と伝えると、もうちょっと待っててと言われました。

 

しぶしぶ部屋に戻ったら、やっと恰幅の良いおじいちゃんがのっそり来てくれました。

 

(この時点で、特にお待たせしたお詫びの一言は一切なし。)

 

しかも、なんかネジとか回したりして直すのかと思いきや、ドアを力づくでバシッと開け閉めし始めた!!!

 

「ほら、直してやったぜ!」みたいな感じで得意げに言われてしまい、こちらもなぜか「センキュー!センキュー!!」と日本人得意の笑顔で返してしまったが、後から考えるとなんかおかしい・・・

 

そもそも待たせているのにお詫びがない、そもそもドアが壊れていて(立て付けが悪いだけだったみたいだけど)ホテルの設備管理が悪いのに、特にお詫びがない

むしろこっちがお礼してしまうのもおかしい・・・

 

日本だったらありえないですよね。

お客様は神様だもの!

ドアが壊れていたらまずすぐに駆け付け、遅れたとしても「お待たせして申し訳ございません」の一言があるはず。修理したら「ご不便おかけして申し訳ございませんでした」となるはず!!

(もっと言ったら部屋を交換してもらえる可能性だってあるはず!)

 

 

この経験を通して、やっぱりお客様は神様ではなく、一人の人間であり、あくまで対等な関係なんだと改めて思いました。

(日本だったらいろいろおかしいと思いましたが、特に気にはしていません。)

 

 

でもだからといって、生産性向上のために、日本でもお客様は神様として扱わず、質の高いサービスはやめましょうというわけではなく、そのスタイルや価値観を変える必要はないと私は思います。

 

なぜなら、それが日本人らしく、日本の良さだと感じるからです。

 

確かに、日本人の持っている、和を重んじるきめ細かい気遣いは、ときに生産性を低くしている要因の1つかもしれないと思うことはあります。

(あえて手書きや手作りで渡したり、説明資料やアナウンスが多かったり・・)

 

ただ、その気遣いが多くの日本人にとっては心地よく、海外からも賞賛されている日本のアイデンティティではないかと考えています。

 

日本のアイデンティティは失いたくないけど、ドイツ人の考え方を取り入れることで生産性は高まるかもしれない・・・

 

そこで!私が得られた新たな考え方は、

労働者の立場では「お客様は神様」として捉えるとしても、消費者自身は「自分は神様ではない」という意識を持つことが大事ということです。

 

消費者側から過剰なサービスを期待してしまうと、労働者にとってストレスになり、生産性が低くなる可能性があります。

 

そう思ってから、私は仕事をする上で、自分が提供側のときは丁寧な対応を心がけますが、自分が受取り側のときは、相手に対して必要以上に期待しないようにしています。

 

100点を求めるのではなく、60点70点できていれば、まぁいいか!と余裕を持てるようにしたいと常に考えています。

 

(それが育成の場面や多額の費用を払っている場合などは期待値が上がってしまい、許容が難しいこともあるのですが・・)

 

 

そうすることで、相手に過度なプレッシャーを与えずに済み、余計なことを考えさせずに済み、ミスも減るかもしれない。

 

結果的に生産性が上がることもあるのでは?と、期待しています。

 

 

その2.コミュニケーションは質より量!

 

ドイツと日本ではコミュニケーションの取り方も違います。

 

これはよく議論されますが、日本人は以心伝心・暗黙の了解・空気を読むといったように、言葉以外のコミュニケーションを大事にする傾向がありますよね。

 

おそらく、これも日本人の和を大事にする価値観から、相手を傷つけないようにはっきりと物事を言わないようにしているのだろうと思います。

 

ですが、それが生産性を低下させる原因の1つではないかということです。

 

確かに、信頼関係がしっかり構築されていれば、相手が何を言わんとしているかわかるようになってきますが、やはり仕事上では明確に伝えた方がミスコミュニケーションは減るかと思います。

 

 

一方、ドイツ人はとにかく頻繁にコミュニケーションを取り、細かい部分まできちんとわかるまで説明するようです。

気になることがあれば、はっきり「わからない」と言い、教えてもらう。そうして相手が納得することで生産性が上がります。

(ドイツだけに限らず、海外の多くの国ではそのようですね)

 

 

さらに、普段のあいさつや日常会話を大切にしているそうです。

頻繁にあいさつや会話をすることでお互い親近感を抱くようになり、いざという時に躊躇なく相手を頼ることができます。

 

また、単純に、お互いにいろんな情報交換をすることで、自然と知識が増えて仕事も進めやすくなりますよね。顔見知りが増えることで相談できる人の幅も広がります!!

 

これは意識すれば簡単にできます!

 

私は本書にあった、「コミュニケーションは質より量が大事である」という言葉に触発され、前職の会社でとにかくひたすらいろんな人に声をかけている時期がありました。

 

エレベーターで一緒になった初めて会った人にも、食堂で並んでいるとき前にいた知らない人にも、バス停で待っているときにいた話したことない人にも。

 

気付いたら、退職メールの宛先が500名以上になっていました。

(前職で使っていたメールのシステムは全社員一斉送信できないため、顔見知りで話したことがある人を1人1人選んで送りました。)

 

転職後はまだ緊張していてなかなか実行できていないのですが・・・

 

とにかくドイツ人に倣ってコミュニケーションの量を意識し、少しずつ自分で仕事のしやすい環境を作り上げていきたいと思います。

 

 

 

本書では、他にも生産性を高めるためのヒントがたくさん書かれています。

 

効率的なスキルを学ぶというよりは、ドイツ人の考え方や文化を学ぶ本だと思います。

 

新型コロナウィルスによって今後の働き方が大きく変わっていくかもしれません。

ぜひこの機会に自分の働き方を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

アディショナルタイム

そういえばこの前、流行りに乗って、大学のときの友達3人とZOOM飲み会をしました★

居酒屋飲み会と違って、部屋にあるものを見せ合いっこできたりして楽しかったです!

医療従事者に感謝しつつ、家でできる楽しいことを見つけたいですね。

(今週末はAmazonで買ったジグソーパズルをやるのがひそかに楽しみです)