16_「神経科学からモチベーションコントロールを学ぼう!」

こんにちは!

 

いやー、前回から2ヶ月も間が空いてしまいましたが、もう気付けば夏が到来!

と思いきや、なんだか最近は梅雨に逆戻り?の天気が続いていますね。

 

6月は一週間くらいで梅雨が明けて各地で40℃とか記録的な暑さとなり、今年の夏はどうなるのやらと思いましたが、今は逆に九州や東北での大雨災害が心配ですね。

 

 

さて、今回の本は少し今までと毛色が異なります。

 

先日、八木洋介先生のセミナーを視聴していたところ、私にとって全く馴染みのなかった言葉が耳に入ってきたのです。

(人事の役割を教えてくださった恩人、八木先生の話はこちら 

 

「人事として、今後は心理学だけでなく、脳科学を学ぶべきですね」

 

ん?脳科学??

 

八木先生のおすすめ図書をメモしながら、脳科学とはまた新しい分野だな、とワクワクしていた自分がいました。

(八木先生、いつも道筋を示してくださり、ありがとうございます!!!)

 

早速おすすめ図書を調べてみたものの、いきなり初心者が読むには難しそう・・ということで、まずはイラスト図解 脳とココロのしくみ入門いう本を読みました。

 

イラスト図解と書いてある通り、とても内容が明快でわかりやすかったのですが、体系的に学ぶ、というよりは、日常生活の謎を脳科学から紐解くといった趣旨でした。

(例えば、「どうして地図が読めないの?」「笑ってはいけない場面で笑ってしまう人」「ダメな男ばかりにハマってしまう」などなど)

 

これはこれで、最近よくメディアでも見かける「脳の学校」代表、脳科学医である加藤俊徳先生の本であり、脳科学に関連する他の著書も読んで深堀りした後、後日取り上げたいと思っています。

 

ただ、今回は、「脳科学」をキーワードに探していた際、たまたまkindleのセール50%OFFで見つけた本について、まとめたいと考えています。

 

16_「BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは」

 

本書は「神経科学」を扱っており、神経系の一部である「脳」の中でもよりミクロな細胞レベルにフォーカスを当てた分野であると私は理解しました。

(一方、「脳科学」は脳の中身を肉眼レベルで分類し、それぞれの機能に着目した学問なのかな・・と。実際はもっと複雑に分類されているかと思われます)

 

著者の青砥瑞人さんはなんとまだ30代で、日本ではまだまだ認知度の低い「神経科学」という学問をアメリカで習得し、人材教育に活かそうと奮闘されています。

 

私は脳科学神経科学に触れる中で、元来、人事の中で学んできた心理学よりも、より信憑性の高い内容だと感じ、率直に興味がわきました。

 

心理学では、実験的なアプローチが多く、「被験者に偏りがあるのでは?」とか、「結果の背景にはもっと複雑な条件が絡み合っているのでは?」とか、疑ってかかってしまうこともよくあります。

一方、脳科学では「脳にはこういう機能がある」と事実ベースで説明されるので、個人的には腹落ちしやすい内容だと感じました。

 

 

本書においては、多くのビジネスパーソンが抱える課題として3つのテーマ、「モチベーション」「ストレス」「クリエイティブ」について、神経科学の観点から解明されています。

 

その中でも特に私が人事として理解を深めたいと考えるテーマ「モチベーション」に関して、今回取り上げたいと思います。

 

 

いざ!神経科学ワールドへ★

 

 

 

その1.脳の重要な機能「メタ認知

 

まずモチベーションを捉える上で重要なキーワードが「メタ認知」です。

 

メタ認知は、「自分自身を、客観視、俯瞰視」した認知の状態である。

(本書 No.204/3863引用 ←例によってkindleのページ表記がわからない汗)

 

つまり、自分自身が何を考え、何を感じ、何者なのかを客観的に認知する。

「汝自身を知れ」ということですね。

 

なぜメタ認知が重要なのかと言えば、モチベーションを高める要因は人それぞれだからです!

 

そもそも他人と自分のモチベーションのあり方は、DNAレベルで異なり、体験による記憶が異なり、脳の配線が異なる限り、大きく異なる可能性が高いという点だ。

(本書No.329/3863 引用)

 

例えば、あなたと上司のモチベーションは一緒ですか?

 

きっと違いますよね。

 

ある人は仕事終わりのビールを楽しみに頑張るかもしれない。

ある人はかっこよい先輩から褒められるために頑張るかもしれない。

 

まずは、自分がどういう状態になればモチベーションが上がるのかを認知し、自分自身でコントロールしていく必要があるのです。

 

そして、メタ認知を高めるためには、自分自身に対し、「意識的に注意を向ける」ことが重要です。

 

脳は、情報を記憶する機能を持っていますが、注意の向かない情報は脳に残りません。

 

「Use it or Lose it」

私が本書で特に印象に残った言葉です。

日本語訳は「使われれば結びつき、使われなければ失う」。

これは私にとって怖くもあり、前向きになれる機能でもあります。

 

人間の脳には約1100億個の神経細胞があり、それぞれの神経細胞シナプスと呼ばれる構造体によって結びついているそうです。

神経細胞は使われるほど強く結びつき、使われないと刈り込みされてしまいます。

使わないシナプス保有するエネルギーは無駄遣いになるからです。

(刈り込み、という表現も少し恐ろしい)

 

あなたは普段から自分と対話したり、省みたりする習慣はありますか?

 

もし自分自身に注意を向けることをしなければ、メタ認知は進みません。

反対に、自分に向き合う頻度を上げれば、自分を知る機会が増えていきます。

 

メタ認知は何もモチベーションに限った話ではなく、自分のパフォーマンスを高め、成長するために必要な第一歩になります。

 

「今自分は何を感じ、どう考えて行動したのか」

ぜひ意識的に自分自身に注意を向ける習慣をつくっていきましょう。

(自分の感情を理解する方法は12冊目のこちら

 

 

その2.モチベーションを高めるにはまず生活リズムから

 

みなさんは、空腹時の方が集中力が高まり、モチベーションが上がったことはありませんか?

また、夜眠たくなってきたときにモチベーションが低くなり、

「もういいや、明日やろーっと」なんて、やるべきことを放り出すこともありますでしょうか?

 

それがなぜなのか?ということはあまり深く考えたことはありませんでしたが、いつもの行動を振り返ると、確かに、自分の生理的欲求(食欲や睡眠欲など)とモチベーションは関連していそうだと考えることができます。

 

神経科学の観点から、筆者は神経科学的欲求五段階説」を唱えており、その理由を解明しています。

 

本書No. 396/3863 引用「神経科学的欲求五段階説」

 

マズローの欲求五段階説は有名ですが、神経科学的というのは独特ですね。

 

まず、ピラミッドの下位の欲求は「先天DNA型」として、生まれた時から備わっている機能であり、強い神経回路が構築されているため、エネルギーをあまり使わない。

(通常は、自然に、「寝たい」、「なんか食べたい」などと思えますよね)

 

一方、ピラミッドの上位の欲求はもとから強く神経回路が結びついているわけではないため、欲求を満たすためには、かなりのエネルギーを要する。

よって、「後天学習型」と呼ばれる部分は、無意識的に選択されにくい。

(「あれを考えよう」「この勉強をしよう」と思うのは意識的な誘引が必要になりますね)

 

つまり、上位の機能よりも下位の機能の方がモチベーションが強く作用されるため、高次の情報処理や学習よりも、生存に必要なモチベーションが優先されやすいということです。

 

よって、「モチベーションがなんか上がらないなぁ・・」と感じた際は、まず自身の生理的欲求が満たされているか?を考え、体調やコンディションを整えることが先決の課題となるわけですね。

 

これは当たり前のようで、私にとってはちょっと新しい視点です。

例えば、部下や周囲の人のモチベーションが下がっていると感じたら、

 

「最近ちゃんと眠れてる?」

「ごはんはきちんと食べてる?」

 

などと声をかけてみて、まずは相手の体調を確認するのも手掛かりになるかもしれません。

 

 

その3.意識的なモチベーションの転用

 

さ・ら・に!!!

 

ここで終わらないのが神経科学。

 

無意識的に誘発される「おなかがすいた」「眠い」などの下位のモチベーションを高次の情報処理・学習に対するモチベーションに転用させちゃおう!という方法があるのです。

 

 

え?え?なんて?

(by ラッスンゴレライ)

 

という感じですよね。(?)

 

 

例えば、「おなかすいた」状態のときは、「なにか食べたい」というモチベーションが働いており、脳内には大量のドーパミンが作られている状態です。

 

モチベーションのベクトルはともあれ、脳内でドーパミンが作られている状態が現象として存在するので、その状態をうまく活用する

(本書引用 No.457/3863)

ということなのです!

 

ドーパミン神経伝達物質の1つで、人間が好奇心を持ったり、何かやってみたいと思ったりしているときに放出されやすい。これが集中力を高めたり、快感をもたらしてくれる。)

 

では、具体的にどうやるの?ということを説明します。

 

STEP1.ドーパミンが放出されていることに気付く

「あ、私は今、おなかが空いていて、何か食べたいという状態だな」と自分で認識する

 

STEP2.このドーパミンをどこに活用したいのか意識的に誘導する

「よし。これは集中力が高まっているチャンスだ。この仕事を終わらせてしまおう!」

 

こんな感じでしょうか。

ここで、その2.冒頭の疑問を解明することができますね。

空腹状態のドーパミンを自分の意図した対象にうまくシフトすれば、集中力の高まりが期待できるのです。

 

そして、さらに・さらに・さらに!!!

(しつこいですね)

 

より高度な技ですが、このドーパミンを自ら作り出す方法も紹介されています。

つまり、自ら「やる気スイッチ」をつくり、自分で押すのです。

 

あなたがお気に入りの名言や、本や漫画の一節、ドラマやアニメのシーン、音楽などを、実際に見聞きしたり、脳内でそのお気に入りの言葉をつぶやいたり、映像を頭に思い描いたりすることで、あなたのモチベーションを高めることができる

 

というものです。

 

よく、スポーツ選手がお気に入りの音楽を聴いてモチベーションを高めているという話を聞きますよね。

 

 

あなたは自分のやる気スイッチを知っていますか?

 

まずは、自分の感覚や感情を大切にし(メタ認知)、どのような題材だろうと、自分の高まるモチベータ(やる気スイッチ)を探していきましょう!

 

 

 

さらにさらにー!!

 

といきたいところですが、そろそろ止まらなくなりそうですので、今回はここまでにしようと思います。

 

本書を読んで、少し専門的な難しい表現も多々ありましたが、脳の仕組みを知ることで、今までは感覚的に動いていたことが、より意識的に行動できるようになると感じました。

 

本投稿ではほんの一部しかまとめることができませんでしたが、本書は専門的ながらも、日常生活において実用しやすいヒントや具体的な行動例がたくさん詰まっています。

 

モチベーションだけでなく、ストレスやクリエイティブに関しても興味のある方は、ぜひ神経科学ワールド、ひも解いてみてください。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

今日は私の癒しのバジーちゃんを紹介します。(バジル)

 

 

ピザの匂いがして可愛いですよ~