06_「たった1分で相手をやる気にさせる話術?!」

 

お疲れ様です!

 

今日は第6冊目!

 

前回読んだ本から影響を受けて、人事の仕事は、社員の心に火をつけることなんだとわかり、早速、「やる気」をキーワードにして探したところ、数年前よく耳にした用語が検索に引っかかりました。

 

当時は確か、その用語に関する本をパラパラと立ち読みし、「ふーん」程度で終わっていたような気がします。

 

しかし、今回は目的があるので、しっかりと身に付けるように読み進めました。

 

(本って、その時々の環境や心の状態によって、読み方が変わるの不思議ですよね。)

 

前回は間違えてkindleで購入してしまいましたが、購入後、即読めること・紙より安いことで味を占めた私は、今度はkindleを自ら選んでこちらの本をダウンロードしました。

 

06_「たった1分で相手をやる気にさせる話術 ペップトーク

たった1分で相手をやる気にさせる話術 ペップトーク

たった1分で相手をやる気にさせる話術 ペップトーク

  • 作者:浦上大輔
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

そうです。よく耳にしたワードは「ペップトークです。

 

「あぁ~。あったね、そんなの。」と思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

(私もそのうちの1人です)

 

ペップトークとは、簡単に言えば「励ます技術」のことで、もともとはスポーツなどの試合前に行う激励のコーチング話術として生まれたそうです。

 

今では、ビジネスシーンや日常生活などあらゆる場面で、相手を励ましやる気にさせるため活用されています。

 

著者は運動指導のスペシャリストで、ご本人の経験から言葉の大きな可能性を感じ、今では「日本ペップトーク普及協会」の理事として全国に「ペップトーク」を展開する活動をされているそうです。

 

松岡修造のような、熱血コーチのような、読んでいてちょっと気恥ずかしい場面もあるのですが、感情論ではなく、経験談も活用しながら理論的に説明されているので、非常に実践しやすい内容だと思いました。

 

言葉の魔術師として、相手を励ましやる気にさせるプロになれるよう、これから意識して実践していきたいことをまとめます。

 

 

その1.人のやる気に火が付くメカニズム

 

みなさんは人からどんな言葉をかけられたときにやる気がわきますか?

 

私は最近、「○○さんがいてくれると助かる!」と言われたときに、非常に嬉しくてもっと役に立てるように頑張ろうと思いました。転職してまだあまり仕事を覚えられていない状況下だったため、余計響いたかもしれません。

 

本書では、人のやる気に火がつくメカニズムとして、「自分に価値がある」と感じた時にやる気が湧くと説明しています。

 

また、自分に価値があると感じるときは大きく分けて2種類あります。

 

・承認欲求(人に認められたいという欲求)が満たされたとき

・貢献欲求(人の役に立ちたいという欲求)が満たされたとき

(引用 No.297/1845 ←kindleに出てくるこの数字は何でしょうか・・?)

 

「君ならできる!」「よくやってるね!」「頑張ったね!」といった言葉は承認欲求を満たすことにつながり、やる気になります。

 

一方、私のやる気が出た言葉として先述した「○○さんがいてくれると助かる!」という言葉や、「君のおかげでできた!」といった言葉は、貢献欲求を満たしてやる気にさせます。

 

つまり、この2つの欲求のいずれかまたは両方を満たす言葉がけを意識すればよいということがわかりました!

 

 

ちなみに、一番、貢献欲求を満たす身近な言葉は何だと思いますか?

 

 

 

それは「ありがとう」です。

 

中国では親族に対して「ありがとう」を多用すると、水臭いと思われてしまうのであまり言わないと聞いたことがありますが、やはり「ありがとう」と言われて嫌な気分になる人は少数だと思います。

 

たいていの方は「ありがとう」と言われたら「いえいえ。」と言いつつも、心の中では「良かった」と思いますよね。

 

しかし、日本人はよく「ありがとう」と言える場面でも、「すみません」と言いがちではないですか?

 

コーヒーを出してくれた人に「あ、すみません」

エレベーターを止めてくれた人に「すみません!」

褒めてくれた人に「なんか、すんません」

 

私も「すみません」とつい言ってしまうこともありますが、これからは「ありがとう」と言える場面では「ありがとう」と伝えようと思いました。

 

 

 

その2.やる気のメカニズム「3つのステージ」

 

承認欲求・貢献欲求を満たす言葉を発する際に、下図のような3つのステージを考慮する必要があります。

 

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やる気のメカニズム「3つのステージ」

 

私たちは、自分自身の存在があり、「~したい」という思いがあり、「~する」という行動に移し、「できた・できない」という結果を出していくことを日々繰り返しています。

 

その中で、存在・行動・結果の3つのステージにてそれぞれ評価し、認めてあげることができます。

 

例えば、このような言葉が考えられます。

 

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(例)ステージごとの承認欲求・貢献欲求を満たす言葉

 

 さらにその3つのステージの中でも、「存在」を承認することが一番相手にとって喜ばしく、やる気につながるとされています。

 

なぜなら、たとえ行動や結果がうまくいかなくても、やり直すことができますが、存在はリセットするわけにはいかず、上図のピラミッドの通り、人として最も根底にある大切な部分だからです。

 

人は行動や結果だけを見られて判断されると、根底的な部分でつながっていないという感覚を本能的に感じてしまうそうです。

 

ですから、相手との信頼関係を築くためにも、存在を認めてあげることが非常に重要なのです。

 

最近、私のやる気が出た言葉、「○○さんがいてくれると助かる!」は、この存在ステージを承認され、私はまんまとやる気が出てしまったわけですね。

 

これからは、結果や行動だけでなく、存在も承認するような言葉を加えるよう意識してみようと思います。

 

 

例えば、もし同じチームの後輩が何か良い成果を出したとき、こんな言葉をかけてあげようと想像してみます。

 

 

「○○さん、頑張ったね!こんな良い成果をもたらしたのは、○○さんがこれまで一生懸命準備してくれたからだと思う。○○さんのような前向きに取り組んでくれる人は周りにも良い影響を与えているよ。いつもありがとう☺」

 

 

いかがでしょうか?

あなたがもし後輩だったら、やる気が上がりますか?

(ちょっと照れくさいですかね。。)

 

 

その3.相手をやる気にさせるペップトークの4ステップ

 

やる気になるメカニズムを学んだ後で、いよいよペップトークの話法についてです!

 

ペップトークでは、次の4ステップにならって話を展開することで、相手をたった1分でやる気にさせることができます。

 

 

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ペップトークの4ステップ

 

【ステップ1 】受容(事実の受け入れ)

受容の目的は、相手の感情や置かれている状況をそのまま受け入れ、共感することで相手の心のドアを開くことです。

 

緊張していたら、「緊張しているんだね、わかるよ」

不安になっていたら、「不安になるよね、私もそうなったことあるよ」

心配そうな顔をしていたら、「心配だよね、誰でもそうなるのは当たり前だよ」

と声をかけて、相手の感情を受け止め、共感を付け加えます。

 

そうすることで、続いて「承認」の言葉にも相手は耳を傾けることができます。

 

 

【ステップ2】承認(とらえかた変換)

ステップ2では、ステップ1の受容で受け入れた感情や状況をポジティブにとらえ直していきます。

 

同じ事象でもポジティブに変える方法は2種類あります。

 

①逆転の発想承認

コインの裏表があるように言葉を変換させます。

感情がネガティブな場合は、「~の証拠」で裏返し、状況がうまくいっていない場合は、「~のチャンス」と裏返します。

 

緊張している→「それは、本気で取り組んでいる証拠だよ!」

心配している→「それは、大切にしている証拠だよ!」

問題が起こった→「それは、成長のチャンスだよ!」

時間がない→「それは、シンプル化、効率化ができるチャンスだよ!」

 

このようにポジティブな面にひっくり返すことで、感情を逆転させます。

 

②あるもの承認

「もっと練習すればよかった」「あの人の方が優れている」など、ネガティブな感情になると、パズルの欠けたピースをつい探してしまうものですが、すでにあるピースに目を向けてもらうことが大切です。

 

(足りないピース):練習不足

(すでにあるピース):経験、チームワーク、応援

 

「確かに練習をもっとしたかったという気持ちはわかるけど、私たちには、今までの経験や強固なチームワークがあるし、いつも応援してくれる友達もついてるわ!」

 

と伝えれば、なんだか自信がわいてきますよね。

 

ちょっと話は違うかもしれませんが、前職のとある課長が「あるもので戦う。」とよく口にしていました。笑

これがない、あれがない、と慌てるのではなく、今ここにあるもので何とかするという精神です。

(特に、何か準備できなかったときとか何かが欠けてしまったときなど、あまり望ましくない場面で使われていたのですが・・苦笑)

 

 

ないものに注目するのではなく、あるものに目を向ける。

その方が断然ポジティブで建設的な解決ができますよね。

この考え方は意外と好きでした。

 

【ステップ3】行動(とらえかた変換)

ステップ3では、まさにしてほしい行動を伝えます。

 

その際、注意することが2つあります。

 

①「~するな!」のような否定形にならないよう注意!

 

イメージの世界では、脳は肯定形と否定形を区別できないといいます。

例えば、「ミスするな!」と伝えてしまうと、ミスするイメージをさせてしまうことになります。

 

したがって、「ミスするな」→「落ち着け!」など、ポジティブなイメージがつくような表現に変える必要があります。

 

②結果ではなく、行動の指示を伝える!

結果は自分でコントロールできないものですから、例えば、「ゴールを決めてこい!」「合格してきて!」と言われても正直どうしたらよいのかわからなかったり、逆にプレッシャーを感じさせてしまう場合があります。

 

よって、次のように行動の指示に変換することで、より自分が持っている力を発揮しやすくなるかもしれません。

 

(結果の指示)「ゴールを決めてこい!」

(行動の指示)「自分を信じてコースを狙って思い切り蹴ってこい!」

 

(結果の指示)「合格してきて!」

(行動の指示)「落ち着いて最後まで問題を読みなさい。」

 

このように、結果を出すために有効な具体的行動を提示することが重要です。

 

【ステップ4】激励(背中のひと押し)

最後は背中をポンと押して送り出す言葉を投げかけます。

 

これも2種類あります。

 

①激励系:相手を奮い立たせて気合いが入る言葉

(例)「さぁ、頑張ろう!」「大丈夫、キミならできる!」

 

②見守り系:相手に安心感を与えて勇気が湧くような言葉

(例)「何かあったら助けに行く!」「みんな応援しているよ!」

 

 

これまでの4ステップを通してみるとこんな感じです。

 

「○○さん、今日はいよいよプレゼンだね。緊張するよね、私もいつも緊張するからよくわかるよ。(=受容)でも、それは、○○さんが絶対成功させたいと思ってたくさん準備してきた証拠だよね。(=承認)だから、○○さんの思いをそのまま伝えてくれば良いんだよ。(=行動)何かあればフォローするから大丈夫!終わったら飲みに行こう!(=激励)」

 

 

(こんなこと言えるかっこいい先輩になりたいなぁ・・)

 

 

 

 

本書では、ペップトークの技法について、著者の経験談と理論からわかりやすく説明されています。しかし、やはり読むだけでは身につかず、実践していかなくてはならないと感じました。

 

毎日、誰かを励ます場面があるわけではないですが、いざという時には冷静に本書の内容を思い出してペップトークを展開してみようと思います。

 

 

相手が落ち込んでいるときや緊張しているときなど、なんて声をかけたらよいか悩むという人は本書にヒントがあるかもしれません。

 

より良い人間関係を築くためにもペップトークを学んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アディショナルタイム

いや、本当に最近暑くなりましたね。

いつの間にか沖縄では梅雨が明けたと報道されており、梅雨に入っていたこと自体知らなくてあっけらかんとしてしまいましたが、関東でも洗濯物が乾かない季節がそろそろきてしまうのでしょうか・・

 

我が家の扇風機は今日からフル稼働です。