メルハバー!
(どこの国のあいさつでしょう?)
ここ最近になって、またまた東京界隈ではコロナ感染者が増えてきて、九州を中心に豪雨も重なり、まさに八方ふさがりのような状況が続いていますね。
マスクを付けず、三密恐れず、出かけることに後ろめたさのない、開放的な毎日が恋しい今日この頃ですが・・・
医療従事者の方々を応援しつつ、何でも前向きにとらえて、今だからこそできることをやりたいですね!
前回はいったん「やる気」のキーワードから離れましたが、心理学といえばこの人でしょう!と思う人の本も購入していましたので、またモチベーション関連の内容に舞い戻りたいと思います。
心理学の三大巨匠ともいわれるフロイト・ユング・あともう1人は誰でしょう?
ドラッカーに続いて著名になった海外の学者ではないでしょうか。
その学者(医師)はあらゆる分野で応用できる学問を確立されましたが、私は今回その中でも、よりビジネスに活かせそうなこちらの本を選びました。
08_アドラー心理学による「やる気」のマネジメント
-モチベーションを高める7つの手法
みなさん1度は聞いたことありますね?
「嫌われる勇気」という青いハードカバーの本は、哲学者と青年の対話形式でアドラーの思想を解き明かすといった内容でベストセラーになっていますし、アドラー心理学に基づいた子育て法の本なども沢山出版されています。
彼はオーストリアで生まれたユダヤ人で、もともとは内科・眼科・精神科の医師でした。
その後、独自の「個人心理学」という理論体系を構築し、今日の「アドラー心理学」に発展しています。
本書では、非常に読みやすい文章で、アドラー心理学の基本的な価値観や、やる気を高めるための実践的な考え方を学ぶことができました。
また、アドラーだけでなく、あらゆる偉人の名言や童話などの例示が多く活用されているところも面白いと感じました。
(松下幸之助の名言や不思議の国のアリスの話、歌詞もありました)
今回はその中で特に印象深かった例示も含めて記録に残し、やる気が維持できなくなった時に見返したいと思います。
その1.「目標」に着目せよ!
アドラーは「人には目標を追求し達成しようとする欲求がある」と述べました。
本書におけるやる気を高めるためのキーワードは、ずばり「目標」です。
とにかく目標が大事。
まずは、誰からかに与えられた目標ではなく、自ら考えて目標をつくることがやる気を高める上で重要であるということを下記図を用いて説明します。
それぞれ説明すると、以下の通りとなります。
①自律性あり×命令あり・・・第Ⅰ象限
(他人から命令された仕事を自発的に実行)
②自律性あり×命令なし・・・第Ⅱ象限
(他人から命令されることなしに、自らの意思のみで行う)
③自律性なし×命令あり・・・第Ⅲ象限
(命令された仕事を自律性なしに機械的にこなす)
④自律性なし×命令なし・・・第Ⅳ象限
(何もしない、やる気皆無の状態)
さて、どの象限が一番やる気の高い状態でしょうか?
もう勘の鋭い方は気付いているかと思いますが、逆コの字を書いた黄色い矢印の順番にやる気がアップしていきます。
つまり、Ⅳ→Ⅲ→Ⅰ→Ⅱの順番ですね。
そして、まったく同じ活動であっても自らの意思でどちらの象限に位置付けるか決められるということが重要です。
そこで!例示として登場するのが、「トム・ソーヤの冒険」の一場面です。
ところで、トム・ソーヤの物語、みなさん読んだことありますか?
私は幼いころ、正方形の絵本(永岡書店のアニメ絵本シリーズ)が大好きで、沢山買ってもらっていたのですが、そのシリーズで読んだ覚えがあります。
↓ これこれ!懐かしい~!まだ実家にあるかな・・?
(あらすじは・・・忘れたので割愛しますね)
トムはいたずら好きのわんぱく少年なのですが、なんと、第Ⅲ象限から第Ⅱ象限へと自ら転換している場面があるのです!!
~「トム・ソーヤの冒険」はじまりはじまり~
ある日トムは、ポリーおばさんの家の塀をペンキで塗るという退屈な仕事を命じられました。
トムは意気消沈して仕事に取りかかりますが、素晴らしいアイディアが浮かびました。
嫌々とペンキを塗るのではなく、芸術家のようにペンキを塗って友達をうらやましがらせようとしたのです。
そこへ友達のベンが通りかかりました。
「やぁ、トム。ペンキ塗りかい。ははぁん、仕事を言いつけられたんだな」
ところが、トムはこう返します。
「え、仕事って何のことだ。これはポリーおばさんが大事にしている塀だぞ。それにペンキを塗れるなんて、こんな機会が毎日あると思うかい」
と、トムは慎重にペンキを塗ります。
その姿を見たベンはペンキが塗りたくなってきました。
しかし、トムは断ります。するとベンは余計に塗りたくなります。
とうとうトムは、リンゴと交換するという条件で、初めてベンにペンキを塗らせてやります。
その後も、何人か通りかかった別の友達も、楽しそうに仕事をするトムに騙され、トムの代わりにペンキを塗るのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
こんな場面あったっけ・・!?
という感想は置いといて。
この場面からわかるように、トムは、「ペンキを塗る」という与えられた命令に対し、「友達に代わりにやってもらう」ことを自ら目標として掲げ、楽しみながら工夫を凝らし、報酬(リンゴ)までもらって、結果的に与えられた仕事も達成しています。
(やり方がいいか悪いかは別として。。)
命令を受けたままに仕事をすることは時に退屈になります。
しかし、1つ命じられた目標があったとしたら、それを越える自分オリジナルの目標をつくってしまうことで、もはや命じられた目標ではなくなり、モチベーション高く取り組むことができるようになります!
これは気持ちの持ちようで変わります。
仕事上、常に実践したいと思います。
あと目標についてもう1つ。
目標を自ら定める際には以下のことを考慮する必要があるとされています。
その活動から、「価値・熱意・意義・喜び・幸福」を感じられ、自分の強みを活かし、社会に貢献できることである
つまり、以下3つの要素が重なる領域こそが、私たちが集中して力を注ぐべき目標になります。(図で表すと下記ベン図の通り)
①自分にとって価値あることである
②自分の強みが活かせることである
③社会に貢献できることである
この中央にある赤い三角の領域の活動は、私たちのやる気を高めるどころか、人生を充実させることができる、いわば「人生の目標」にもなりうるでしょう。
みなさんの人生の目標は何でしょうか?
今、その目標に向かって進めていますか?
なんとなくやる気が出ないときは、一度立ち止まって考えてみると良いかもしれませんね。
その2.印象に残った言葉
先述した通り、本書では多くの名言や物語の一部を補足説明として活用されていて、それが意外と印象に残ってしまったので、下記にいくつか羅列したいと思います。
みなさんの心にも響く言葉があるかもしれません。
「人間であることは劣等感を持つことである。」
(アルフレッド・アドラー著、岸見一郎訳「生きる意味を求めて」より)
「実際、私には、われわれ人間すべての文化は、劣等感情に基づいているとさえ思われる」
まずは今回主役のアドラーの名言。
劣等感をポジティブに捉えるというのは初めての感覚で印象に残りました。
でも確かに考えてみると、例えば「私は英語が話せない」という劣等感があるからこそ、「もっと英語を話せるようになりたい」と思い努力し、人は成長すると言っても過言ではないですよね。
ただし、アドラーは、この劣等感を抱いた際、マイナス方向や間違った方向に進まないよう注意を促しています。
劣等感がマイナス方向に作用することを「劣等コンプレックス」と呼びますが、自分が人と比べて劣っているものを見せるのが嫌で、引きこもったり逃げたりすることです。これでは自分の成長につながりません。
また、劣等感が間違った方向に作用することを「優越コンプレックス」と呼びます。
これは、劣等感を補うためには多大な時間や努力が必要になりますが、その辛い作業を回避したいがために、楽して自分の存在を社会に認めさせたいという態度のことをいいます。
例えば、社会の中で重要な地位を占められない人が大きな自動車に乗って自分をアピールしたり、自分の強さを誇示したいために大きく獰猛な犬を飼ったり・・
(周りに思い当たる人はいませんか・・?)
そしてこの2つのコンプレックスの共通点は「自己利益のみ追及している」という点です。
しかし、劣等感を補うためのたゆまぬ努力は、社会の利益につながり、結果的に自己利益をももたらします。
見せかけではなく、本当に自分に自信をつけるためには楽しては決して果たせないと思いますので、劣等感を正しい方向で捉え、努力していくことが必要ですね!
「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。もちろん、できないことによって何かを行うことなど、とうていできない。」
(ピーター・ドラッカー著、上田惇生訳「明日を支配するもの」より)
ドラッカーといえばこちらの本!流行りましたよね~!
略して「もしドラ」!
マネジメントといえば最初に思い浮かぶ経営学者ですね。
また、この本が学術的な本を漫画(アニメ)にした草分け的な存在だったように感じます。
このドラッカーの言葉は、新しい気付きというわけではなく、ごく当たり前のことを伝えているのですが、妙に頭に残りました。
弱点を克服した平均的な能力ではなく、自分の強みを強化することで、社会により貢献できる。
前述した「人生の目標」を立てる際にも、自分の強みを活かしたいですね!
◆孫子
「昔のよく戦うものは、先ず勝つべからざるをなし、もって敵の勝つべきを待つ。勝つべからざるは己に在り、勝つべきは敵に在る。ゆえによく戦うものは、よく勝つべからざるをなす。敵をしてこれに勝つべからしむることをあたわず。」
(中国古典「孫子」「形篇」より)
平たく言えば、敵に負けない態勢の構築は自身の問題であり、敵に自ら負ける態勢を作らせることはできない。
つまり、自分でコントロールできない問題に思い煩うのは無意味で、自分でコントロールできる問題に焦点を当てるしかない、といった意味の言葉です。
本書では、他人と比較して嫉妬したり自信喪失したりするのではなく、他人はコントロールできないのだから、自らコントロールできる自分の成長に注力しましょうといったことを伝えるために孫子の言葉を活用されています。
確かにそうだ、と納得できる名言だと思いました。
悩んだ時には2500年前に残した孫子の言葉を思い返したいです。
孫子の兵法も一時期流行りましたよね。
やはり何かを成し遂げた偉人の言葉はためになりますね。
なんだか最後は偉人の名言集になってしまいましたが、本書では、アドラー心理学をもとに、モチベーションに火をつける「7つの手法」が紹介されています。私が書き記したのはその一部です。
今回は載せませんでしたが、第6章のスケジュール管理方法は、グーグルカレンダーを使った非常に具体的な説明があり、ぜひ実践したいと思った内容でした。
アドラー心理学によるモチベーションの高め方とはどんな方法なの?と気になる方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日はある資格取得のオンライン説明会に参加し、初めて知らない人とオンラインで会話をしました。
私はビデオ設定していたのですが、あとから皆さんほとんど顔を出していない!ということがわかり、ちょっと恥ずかしかったです・・
最後の質問タイムがかなり時間延びていて、早く終わらないかな~と思いつつ、ふと参加者一覧を見たら、これまたほとんどの方がすでに退出していたことに気付き、みなさんオンライン慣れていらっしゃる・・と少し置いてけぼりな気分に。笑
なんだかオンラインで人との距離が近付いたような、遠ざかったような、不思議な感覚を覚えました。
さて、梅雨明けはいつかな~